ドコモ経済圏
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 Vポイント陣営とdポイント陣営の両方と手を結んだSBIHD

  今回の交渉で、SBIHDはNTTとの間で資本提携(株式の取得)のみならず業務提携(事業の連携)も結んでいる。そのうえ、今年の6月には三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と共同で新会社を設立することも発表。新会社では、 富裕層を中心にデジタルと対面営業を組み合わせた資産運用助言サービスを26年春から展開するという。そもそもSMFGとSBIHDは22年6月に包括的資本業務提携を結んでおり、前者は後者の第三者割当増資を引き受けて約10%の株式を取得していた(現状の持ち株比率は9%弱)。Vポイント運営に関わっている三井住友カードを傘下に有するSMFGと、dポイント陣営であるNTTの両者と手を結ぶことになる。

「結局、SBIHDは全方位の外交スタンスなのです。おそらく北尾さんとしては、SMFGとだけ組むという意識がまったくないはず。だから、NTTとの資本業務提携にも至ったわけです。さすがに傘下のSBI証券と激しく競合している楽天証券を持つ楽天グループとは距離を置くでしょうが、妙味があれば誰とでも組むのではないでしょうか? 言い換えれば、北尾さんはそれだけ上の立場から有利に交渉を進めているということです」(高橋さん)

 あくまでVポイントはサブ的な経済圏という位置づけ

 SMFGにしても、組む相手はSBIHDだけにとどまらない。その傘下の三井住友カードとソフトバンクは、デジタル分野での包括的な業務提携に合意。SMFGの総合決済アプリ「Olive」とPayPayを連携させ、Vポイント⇔PayPayポイントの交換や決済機能の相互利用を可能にする。PayPay経済圏やVポイント経済圏の支持者にとっては、この上ない朗報だと言えよう。ポイント情報サイト「ポイ探」を運営する菊地崇仁さんは指摘する。

写真・図版(3枚目)| ポイ活戦線、“台風の目”はSBIか Vポイントとdポイントの双方と連携 識者が分析「結局、全方位の外交スタンス」

「5大経済圏と言われていますが、ドコモやau、PayPay、楽天とは違って、Vポイント陣営は携帯電話会社がありませんし、サブ的な経済圏という位置づけになります。自分がよく利用するポイント経済圏と組み合わせて貯めるといいでしょう。イオンのWAON POINTや、JR東日本のJRE POINTやJR西日本のWESTERポイントといった鉄道系をはじめ、Vポイント以外にもサブ的な立ち位置の経済圏が存在しています。それらも組み合わせの候補となってきますし、先々で5大経済圏との連携する動きなどが出てくるかもしれません」

 他にも様々なポイントサービスが存在しており、その多くは5大ポイントへの交換が可能だ(等価交換ではないケースもある)。また、一部のサービスでは相互交換もできるようになっている。次ページの図は、5大ポイントへの交換が可能な主なポイントサービス、5大ポイントと相互交換が可能なポイントサービスを紹介したものだ。すべてを網羅しているわけではないので、詳細な情報を知りたい場合は、各ポイントサービスのホームページにアクセスして確認するといい。

 
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