※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 本格ソロキャンプ小説、『ソロキャン!』。著者・秋川滝美さんが、今回『ソロキャン!』シリーズ、誕生の秘密を明らかにする! そのカギを握るのはなんとカレー!?

 秋川さんとカレーとの断ち切れぬ因縁とは。なぜカレーへの怨念(笑)から『ソロキャン!』は生まれたのか。

 お馴染みの軽快で痛快な語り口で『ソロキャン! 4』にまつわる裏話を大紹介!

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カレーの香らぬ静かな夜

 カレーなんて見たくもない! こんなものを考え出したインド人は、今すぐ出てきて責任を取れ――!

 遠路はるばる我が国に到来し、今では国民食とまで言われるようになった「カレー様」になんてことを! と叱られること間違いなしの発言だが、当時大学生だった私は、真剣かつ心底そう思っていた。

 そもそもカレーはインド発祥ではあるが、その存在を日本に伝えたのは英国で、インド人の知るところじゃない。

 おまけに日本のカレーは、インドのものとはかけ離れた料理となったばかりか、今では世界中から日本を訪れる人々が「カレーライス」は日本の文化として、お土産にカレールーを持ち帰るほどの人気を誇っている。むしろ、愛してやまないカレーを「魔改造」した挙げ句、日本の名物料理みたいにされてしまったインドの方々のほうが「日本人出てこい!」とご立腹かもしれない。

 そんな発祥国を霞ませるほどの人気を誇る我が国のカレーを「見たくもない」と言い切る私はあまりにもへそ曲がりだが、これには、涙なくして語れない(大嘘)理由がちゃんとあるのだ。

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