投資アドバイザーの若林史江さん。1977年生まれ、20歳で株式投資を開始。首都圏中心の資産運用セミナーは常に満員。TOKYO MX「5時に夢中!」月曜レギュラー(写真/本人提供)
投資アドバイザーの若林史江さん。1977年生まれ、20歳で株式投資を開始。首都圏中心の資産運用セミナーは常に満員。TOKYO MX「5時に夢中!」月曜レギュラー(写真/本人提供)
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 ビギナーが迷わないように、余計な選択肢は省略。現状の最適解、「つみたてNISAのはじめ方」「買うべき投資信託」を投資アドバイザーの若林史江さんがズバリ。「AERA Money 2022秋冬号」より。

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 岸田政権が国策として打ち出した「資産所得倍増プラン」。その目玉政策になりそうなのが、NISA(少額投資非課税制度)、つみたてNISAの制度恒久化や、毎年の非課税で投資できる金額を増やすなどの拡充策だ。

 制度変更の具体案が判明するのは2022年12月。本格的なスタートは、一般NISAが終了し、新NISAがはじまる2024年1月になる可能性も大いにある。

 スローな国の政策を待つより、さっさとはじめたほうがいい。『100円つみたて投資入門』(宝島社)の著書もある投資アドバイザーの若林史江さんが、NISAの税金に関するメリットを教えてくれた。

「利益にかかる税金は非課税です。仮に1万円で買った投資信託(以下、投信)が1カ月で10%値上がりしたときの売却益は1000円。そこから引かれる税金は20.315%なので、つみたてNISAによる節税額は約200円になります。少ないと思いますか?

 では長期で考えてみましょう。毎月1万円を20年間つみたてた場合、投資元本は240万円。もし20年間で元本が200%増(資産3倍)なら利益は480万円。

 この場合、利益の20.315%相当の約98万円が丸ごと非課税になります。非課税って、長期であるほどメリットが大きいことが多いんです」

 はじめる時期に関しても、「もう少し安くなってから」「資産所得倍増プランが本格的にはじまってから」などと先送りにしないほうがいい。資金を長く株式市場に置いておいたほうが、結果的にお金が増えるチャンスは広がる。

 若林さんのつみたてNISAに関するアドバイスはシンプル。

「クレジット決済が可能なネット証券を選んで口座開設。『S&P500』か『全世界株式』の指数に連動するインデックス型投信をつみたててください」

 もう、これだけ。3秒で説明が終わってしまった。

「つみたてNISAの年間の投資金額は現状、40万円まで。1カ月当たりに直すと約3万3000円です。でも、この金額を無理につみたてなくてもいいですよ。1000円でも3000円でもOKなので、まずはじめてみましょう」

 普段使っている、窓口のある銀行でつみたてNISAの口座を開設してしまった人は、やや面倒だがネット証券に乗り換えたほうがいいかも。そのほうが、信託報酬(投信にかかるコスト)が激安の投信をつみたてられる。長期投資ではコストにこだわることが大切だ。つみたてNISAは投信を買った年から最長20年間、利益が非課税になるので、数パーセントのコスト差でも収益に響く。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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