AERA Money 2022秋冬号(AERA増刊)
AERA Money 2022秋冬号(AERA増刊)

 ポイント還元率は今後変更される可能性もある。

「現在のポイント還元の大盤振る舞いが今後も続く保証はありません。ただ、銀行引き落としや証券口座からの振替ではポイントは全くつかない。もらえるうちはもらっておきましょう」

 つみたてNISAでどの投信を買えばいいかわからず、はじめられない人も多いだろう。そんな人のために、若林さんがたった2本まで絞ってくれた。

「現状の最適解は『S&P500』か『全世界株式』、どちらかの指数に連動する投信だと思います。では、どちらがいいか。

 あなたが今後も米国が世界経済のトップを走り続けると思うかどうかで決めましょう。『米国最強』が今後20年続くと思うならS&P500、他の国が米国を抜くかも……と思うなら全世界株式を。

 とはいえ全世界株式の投信には米国株が全体の約60%入っています(2022年8月31日現在)。全世界株式の投信をつみたてると、その60%は米国株を買っていることになるんですよ」

 米国株の組み入れは、S&P500なら100%、全世界株式なら60%。それでも迷う人は、S&P500と全世界株式を半分ずつつみたててもいい。その結果、米国株は全体の約80%になる。

 もう決め打ちで「この投信」と教えてほしい人にはこちら。

「運用コストが安くて人気なのは、三菱UFJ国際投信が運用する『eMAXIS Slim』シリーズです。

 S&P500なら、信託報酬が年率0.0968%(税込み、以下同)で純資産総額がつみたてNISAトップの『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』。

 全世界株式なら、信託報酬が0.1144%で純資産総額が6000億円を超える『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』を選べば大きな間違いはありません」

 過去の成績を見ると、ここ20年間は米国でアップルやマイクロソフトなどのIT企業が急成長したこともあり、S&P500のほうが成績はいい。全世界株式は米国株が約60%だが、残りの40%に日本や英国など、その時々で好調な株も入っているので「米国株100%」のS&P500に負けるのだ。とはいえ、これから米国が衰えれば他国の株が自動的に増える。国すら選ばなくていい、本気でほったらかせるという点では全世界株式のほうが初心者向きだ。

投資アドバイザーの若林史江さん(写真/本人提供)
投資アドバイザーの若林史江さん(写真/本人提供)

(構成/編集部・中島晶子、伊藤忍)

※『AERA Money 2022秋冬号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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