ヤスさんをレーザー撮影に開眼させたライヴ「アップアップガールズ(仮) 全国47都道府県ツアー2015 RUN!アプガRUN!ダッシュ アプガの夏!野音の夏!」の模様を収めたブルーレイディスク
ヤスさんをレーザー撮影に開眼させたライヴ「アップアップガールズ(仮) 全国47都道府県ツアー2015 RUN!アプガRUN!ダッシュ アプガの夏!野音の夏!」の模様を収めたブルーレイディスク
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写真1:「超広角を使ったライヴ撮影の例」(notall:田崎礼奈)
写真1:「超広角を使ったライヴ撮影の例」(notall:田崎礼奈)
写真2:「アイドルを撮影するつもりが、逆にアイドルに撮影されてしまった例」(notall:田崎礼奈)
写真2:「アイドルを撮影するつもりが、逆にアイドルに撮影されてしまった例」(notall:田崎礼奈)

「一瞬一瞬を撮り尽くす覚悟で、ライヴ撮影に臨んでいます」

 遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 ステレオサウンドの編集者/カメラマン、ヤスさんへの直撃取材第2弾は、いよいよ本題「アイドルを撮るということ」に突入。ファンによる撮影OKの現場も増えている今日このごろ、いろいろ役に立つお話を聞くことができた。

■ファインダー越しに、すべてを押さえてやるぜ!

――ライヴの間はずっとファインダー越しにパフォーマンスを見ているんですか?
 
 そうですね。2時間のライヴなら、その間ずっとファインダーから見てます。「ヤスさんはずっと撮っているんですね」って言われたこともあるんですけど、魂を賭けてライヴをしているひとたちを撮るにはこっちも魂をかけて、一瞬一瞬をすべて撮り尽くすような覚悟で臨まなければいけないと思っているので。目が離せないんですよ。2時間で12000枚は撮ります。1分につき100枚を撮って、それが120分間続いている感じですね。ファインダー越しに、すべてを押さえてやるぜという感じです。春(2016年4月)にキヤノンのデジタル一眼EOS-1D X Mark IIを買って11月の末に点検を出したら、7ヵ月間で37万枚も撮っていたことがわかったんです(笑)。40万枚がシャッター交換の目安なので、2016年はすっごくライヴを撮ったんだなぁ~っていう感想です。年末年始はさらに撮影回数が増えますから、いつ交換に出そうかなって(笑)。

――照明がコロコロ変わってメンバーがガンガン動いていて、常に音が鳴っている状態の中で撮るのは大変なことだと思います。

 まずは「慣れ」ですよ。この曲はどういう動きがあるのかを、ある程度頭に入れておかないと撮れないところがありますから。初見で撮る時は、僕もうまくいかないことが多いです。あとは曲のメロディに合わせて、どう撮るかを考える。曲が盛り上がってきたら皆でポージングしたり、終わりに近づいてきたら密集してくるとか、ある程度フォーメーションは予測できますし、サビの部分はこの子のソロ・パートになるとか、決めになるところは覚えておく。あと、みんなでジャンプする時は、一瞬顔とか姿勢に“タメ”が入るので、そういう信号を見逃さないようにする(笑)。ライティングに関しては、AKIBAカルチャーズ劇場だと、背景の照明が十字っぽいフレアになるので、そういうのを生かして撮ることもありますね。

――レーザー光も、なかなかうまく撮れません。

 アップアップガールズ(仮)の日比谷野音公演(2015年7月5日、「アップアップガールズ(仮)47都道府県ツアー ~RUN!アプガRUN!ダッシュ アプガの夏!野音の夏!」)で勉強したんですけど、ステージ全景を入れて、シャッタースピードを1/30秒ぐらいに落とすとレーザーがビジバシ飛んでる様子は写ります。普段は1/640秒ぐらいの固定で撮っているんですけど、それだとレーザーが1本になっちゃうんです。練習したら1/40秒とか1/30秒ぐらいにすると、レーザーの広がりが撮れることが分かったんです。ただし望遠だとブレるので、広角で全景を入れるようにしています。あと、レーザーが出るということは明るいので、露出補正をマイナスにする。それを同時にやるんです。1/30秒にシャッタースピードを落としつつ、場合によるんですけど露出をマイナス1とかマイナス2ぐらいまで落として、チェックしながら撮るのを繰り返して……。

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