AERA 2025年7月21日号より
AERA 2025年7月21日号より

 どう立て付けを考えていくかは、うちのメンバーとやるときも、Snow ManのメンバーやSTARTOのみんなとやるときも同じです。彼らがどういうことを考えて、何を表現したいのか。僕はそれを聞いて咀嚼して、そこから一緒に作っていく。僕が先に標識を立てて導くようなこともあるし、横並びで歩きながら「じゃあこっち行こうか」というナビの仕方をすることもある。やり方はさまざまです。

 何を望まれているか、どこまでやって何を渡すべきなのかによってもやることは変わると思いますが、そこは時と場合によって違うし、難しいところではありますね。

息を吐いた瞬間に

──アウトプットする場は多い。新しい出会いや刺激はどう取り入れているのだろう。

 意識してないとは言わないけれど、すごく意識して取り入れているわけでもないです。アンテナを張っておかないと感度が下がるので、絶対に張り続けなきゃと意識はしているんですが、呼吸みたいなもので、吸い続けても得られるものには限りがあるんです。で、息を吐いた瞬間に、フッと入ってくるものはある。釣りも同じですよね。フッとテンションを緩めた瞬間に魚がかかる、そういう感覚に近いかな。

 ただ、必要なものは不思議と近づいてくる感覚はあります。

──10年後の自分をどう想像するのだろう。

 想像してないというか、したくもないです。中長期的に物事を考えるのがあんま好きじゃないので、考えると疲れちゃうんですよ。

──現実的に見定める一番遠い“先”を尋ねると、「明後日ですかね?」と即答、「うそうそ」とイタズラっぽく笑った。

 でも、ひと月先のスケジュールを決めるのすらあんまり好きじゃない。2カ月先しか予約が取れない店の予約を取りたいと思ったことはないです。未来の自分が同じように食べたいと思う自信がない。自分が非常に気分屋だとわかっているので、なんだったら自分で決めたスケジュールを自分で裏切りたいと思う自分もいる。面倒くさいんですよ、僕(笑)。

 ただ、面白いエンタメは考え続けたいし、それを共有できる仲間と、届けられる人がなるべく多くいたらいいなと思います。

(構成/ライター・大道絵里子)

AERA 2025年7月21日号より抜粋

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