
劇場版『鬼滅の刃~無限城編~』の公開を記念した、全七夜特別放送の第七夜が17日、放送となる。柱稽古後編となる今回は、来たる鬼舞辻無惨との決戦に向け、鬼殺隊最強の剣士《柱》による《柱稽古》に挑む。鬼殺隊の中でも最強の男と呼ばれる、岩柱・悲鳴嶼行冥。彼の悲惨な過去、最後について過去の記事で振り返る(この記事は「AERA dot.」に2021年5月7日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。
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『鬼滅の刃』に登場する「鬼殺隊」の中でも、「最強の男」と称されるのが、岩柱・悲鳴嶼行冥だ。コミックス11巻の「唐突 ブッ込み 柱の皆さま腕相撲ランキング!」には、1位の悲鳴嶼が「ぶっちぎり」と記載されている。2位に音柱・宇髄天元、3位に炎柱・煉獄杏寿郎と続くが、彼らと比較しても圧倒的パワーであることがわかる。しかし、この悲鳴嶼は泣き顔で描かれることが多く、初登場シーンでは、主人公・炭治郎の処刑をほのめかすなど、そのキャラクターはわかりにくい。なぜ悲鳴嶼は強者ぞろいの「柱」の中でも「最強」と言われるのか。そこには、戦闘力だけではない「人を守る強さ」があった。
【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
鬼殺隊・最強の男
「鬼殺隊」の隊士たちは「呼吸」と呼ばれる方法を使い、通常の人間では考えられないレベルの体力、スピード、パワー、体技、剣技によって、「鬼」と互角に戦う。そんな鬼殺隊の中で実力が突出している者は「柱」と呼ばれるが、そのなかでも、最年長27歳の柱である、岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)は「最強」と称される。
あれほど強く、個性的で、意志強固な「柱」が居並ぶ中で、悲鳴嶼はどの柱からも一目置かれる。220センチ、130キロと体格に恵まれただけでなく、鋭い感覚を持つため、盲目でも、その不便さを一切感じさせない。
悲鳴嶼の突出した戦闘力
悲鳴嶼が「上弦の壱」と呼ばれる鬼・黒死牟と対峙した時には、黒死牟に「極限まで練り上げられた肉体の完成形… これ程の剣士を拝むのは…それこそ三百年振りか…」とまで言わしめる。
悲鳴嶼の使う日輪刀(※鬼狩りのために使用する武具)は、斧と鉄球を鎖でつないだ特殊な形状をしていて、非常に扱いづらい。しかし、材質の鉄・作刀技術ともに極めて素晴らしく、太陽光を含んだ刀は鬼の皮膚を焼き、重い鉄球が体を砕く。まさに最高品質の日輪刀を、悲鳴嶼は見事に使いこなしているのだ。