
そもそも蓮舫氏は6年前の参院選で東京選挙区から立憲民主党の公認で立候補し、当選。都知事選出馬に伴い、蓮舫氏は失職。そのため、今回の東京選挙区は改選「6」(任期6年)に加え、蓮舫氏の補選の「1」(任期3年)の合併選挙となり、7議席を32人で争うことになった。なぜ蓮舫氏は、東京選挙区からの出馬を選ばず、比例代表になったのか。7月14日、東京・門前仲町で、蓮舫氏が街頭演説に訪れた際、本人に直撃したが「ちょっと……」と言っただけで、返答はなかった。代わりに現地にいた立憲の手塚仁雄東京都連幹事長は「東京選挙区には候補者が先に2人決まっているからです」と答え、「塩村文夏さんが現職でいましたし、前回、比例で当選した奥村政佳さんが東京選挙区に求められた」と説明した。
舞台裏をある議員はこう語る。
「蓮舫さんと塩村さんは師弟関係みたいなものだし、イス取りゲームで議席を奪い合うのは酷な話。東京選挙区に、別の候補が見つからなかったから、結局、奥村さんが比例から東京選挙区にやって来たという感じなんですよね。蓮舫さんは参院選の全国比例でこれまでとは違う別の夢を追い求めているんでしょうし、こうならざるを得なかったんですよ」
蓮舫氏の擁立には立憲民主党内から反対の声もあったという。知名度が高く、全国的な票の掘り起こしにつながる可能性があるが、参院選の比例代表は全国比例で、「非拘束名簿式」だ。有権者は政党名か政党の名簿に並んだ候補者1人の名前を記入して投票。政党名と候補者名の合計が各党の総得票となり、各党には総得票に応じて議席が配分され、候補者名の得票が多い順に当選する。1人が当選するにはおよそ100万票が必要とされるが、蓮舫氏の都知事選での得票は128万3262票。蓮舫氏が当選することで、連合の組織内候補が当選圏から外れかねないとの懸念がくすぶっていた。
「みなさんのお力で参政党がメジャーな存在に」
一方、参院選で躍進が確実視される参政党。朝日新聞社の情勢調査によると、比例区も8議席前後となる可能性があり、野党のなかで最も多い議席を獲得する勢いがあるという(15日付朝刊)。
その参政党から比例区で立候補しているのが、23年8月まで代表を務めた松田学氏だ。7月7日、東京・自由が丘で東京選挙区から出馬のさや氏(43)とともに街頭演説を行った。
「正論の神谷(宗幣代表)、政策の松田、そして、積極財政のさや。みなさんのお力で参政党がメジャーな存在になってきました。今度はたくさん、参議院で議席をとりますからね。政府も無視できない存在になるんです」などと語り、こう訴えた。