
ブロガーのはあちゅうさん(39)は2018年、AV俳優のしみけんさんとの事実婚を公表しました。22年に事実婚を解消した後も親子3人で交流する様子を発信しています。結婚観や、事実婚を選んだ理由について話を聞きました。
【写真】やんちゃそう? はあちゅうさんと5歳の息子さんのツーショット
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私自身の感覚として、日本の結婚制度は女性の立場が弱く、不利な面が多いように思っていました。「嫁」という言葉も「相手の家の持ち物になる」という感じがしていて、「結婚」という形をとることが嫌だったんです。
私の母は社会人になるまで、門限が厳しく、男性の影があると「不良」と親から厳しく注意されたそうです。でも20代を過ぎると、「行き遅れる前に結婚させなきゃ」と周囲から言われ、お見合いを経て「寿退社」をして専業主婦として子どもを育てる日々になりました。ある意味、自分の人生を後回しにしてきたわけです。そんな母の姿を見ていて「女性の人生は結婚で決まってしまうんだ…」と思っていました。
結婚はロマンチックなものではなく「契約」
結婚したら、名字を変えるという大きな負担が基本的には女性側に課されていることにも違和感がありました。結婚式で「男親と手をつないでバージンロードを歩き、相手の男性に引き渡される」ことがロマンチックな文脈で語られることがありますが、実は家父長制の価値観に取り込まれている。結婚はロマンチックなものというよりも「契約」だと思います。一人ひとりに合わせた契約があっていいし、私自身は「夫をサポートする妻」ではなく、彼とパートナーシップを築いていくというメッセージを社会に打ち出したかった。だから、事実婚を選択しました。
当時、事実婚であることを公表する必要はないとも思ったのですが、結婚制度に一石を投じたかったのかもしれません。SNSで発表したら、友達が「実は私も名字を変えたくなかった」「こういう方法があるんだね」と言ってくれたことが嬉しかったですね。
事実婚で、名字の変更がなかったことは、すごく楽でした。私は法人を運営しているので、もし名字を変えていたらお金もかかる。心理的負担も大きかったと思います。
一方、「結婚するくせに、覚悟が決まっていない」といった批判も受けました。特に私へのバッシングが多く、「結婚するほど愛されていないんだろう」と書かれたことも。事実婚は「結婚以下のもの」「結婚できない人がするもの」という見られ方をしました。