
女の味方は、誰なのか。
神谷氏のブログを読んだ。第1子の男の子が生まれた時の「父になりました」が、自身のブログページの人気記事ランキング1位になっていた。神谷氏は妻の出産に立ち会い、女性の偉大さに感謝したという。さらに妻と話し合ってつくったという「家訓」を披露していた。それはよく学び、よく働き、よく感謝し、よく生きるというシンプルなものだったが、いわゆる「国際的な競争社会で勝ち組になれ」という類いの方向を向いていないものではあった。そして多分、そういうところが参政党支持者の心に響くのだろう。都会の競争に疲れた人たちが地元に帰って地元の居酒屋で再会して「俺たちにできることがある」と熱く語るような空気が、参政党のHPや神谷氏の言葉からは伝わってくる。神谷家の家訓の延長のような公約が、ストンと腹に落ちる。そんな閉じた世界に対し、「参政党は差別政党だ! 危険だ!」というイデオロギーの声は届かないのだ。そのくらいに、私たちは今、いろいろな意味で崖っぷちにいて、政治は右とか左とかそういうレベルじゃなくて分断している。
昨年の夏は、都知事選で石丸氏のようなシュッとした都会的なエリート男性が受けた。今年の夏は、身体を鍛えた胸板の厚い男の人情が受けている。
相変わらず、この国の国政選挙に女の存在感は薄い。そして参政党を支持する女がバカにされたり、子を産む女は偉大だともてはやされたり、どちらにしても女たちの言葉は、この国ではまだまだ政治の中心にない。女の声は届くのか。どんな未来を求めるのか。とにかく自分の頭で考えぬいていくしかない。そういう夏になる。