ミャクミャクはすっかり大人気に。記者の家族はGWに続き、6月上旬、大阪・関西万博を訪れた=米倉昭仁撮影
ミャクミャクはすっかり大人気に。記者の家族はGWに続き、6月上旬、大阪・関西万博を訪れた=米倉昭仁撮影
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「AERA DIGITAL」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は6月12日に「AERA DIGITAL」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【写真】「もう少しいさせて…」 美しすぎる万博の夜景【ため息】

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 大阪・関西万博は潮目が変わり、来場者は右肩上がりだ。これからのシーズン、強い日差しや熱中症のリスクは、いよいよ夜間のほうが避けやすくなる。吉村洋文・大阪府知事が言及した「営業時間」の延長は難しいのか。海外7パビリオンの見解を聞いた。
 

 6月上旬。強烈な日差しで夏日となった気温も、日が落ちてようやく落ち着いてきた。対策が奏功したのか、たまたまなのか、大屋根リングの上に話題の「ユスリカ」は全く見当たらない。各国パビリオンは日暮れとともにライトアップされ、幻想的な光景が広がっている。午後9時、1000機のドローンの光が万博の夜空を舞った。

 万博を愛する妻は残念そうにこう呟いた。

「万博の雰囲気をゆっくり味わいながら、異国情緒あふれるレストランで食事を楽しんでから帰れたらいいのに……」

 だが、もうすぐ閉館だ。ショーが終わると、来場者はいっせいに会場を後にする。会場ゲートが閉まるのは午後10時だが、多くのパビリオンや、併設された飲食店や物販店は午後9時には閉まってしまう。


 万博の飲食店と物販店の営業時間については、すでに大阪府の吉村洋文知事が5月21日の記者会見で、「午後10時ギリギリまで営業するべき」と語り、万博を主催する日本国際博覧会協会(万博協会)に検討を求めている。万博協会は、閉場時間の延長案について、「慎重であるべき」とした。

 だが、これからの季節は涼しい夜のほうが断然、過ごしやすくなる。日差しが和らぎ、気温が落ち着いてからのほうが熱中症リスクも減る。営業時間の延長は本当に難しいのだろうか。各国のパビリオンはどう考えているのか、尋ねた。

重厚な雰囲気の北欧館=米倉昭仁撮影
重厚な雰囲気の北欧館=米倉昭仁撮影

スタッフの「帰れない」問題

 デンマークやアイスランドなど北欧の5カ国が共同出展する「北欧館」は、「ウォータープラザ」に面し、夜間はドローンショーが近くで行われる。展示は午後8時半に入場を締め切り、9時に閉館するが、飲食店と物販店は午後9時半ごろまで営業しているという。

「ショーを観覧した来場者がショップ(物販店)に立ち寄って帰る流れができている。営業時間を延ばせば、売り上げは伸びると思うんです」

 北欧館の広報担当者はそう語るが、これ以上の営業時間を延長は「難しい」と言う。

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