日本は、国土の約半分が豪雪地帯に指定され、毎年のように雪による災害が発生しています。1月は日本付近の上空にたびたび強い寒気が流れ込み、「寒波」をもたらします。寒気団の強弱を知るためには、上空5000mの気温が目安となります。氷点下35℃や40℃の寒気が日本の上空に入ってくると、日本海側で大雪となり、雪の多くない太平洋側でも一段と冷え込みます。
「トクする!防災」プロジェクトチームから、1月に特に備えを呼びかけたい災害をお知らせします。

1月の防災アクション
1月の防災アクション

1月に特に備えを呼びかけたい災害

「トクする!防災プロジェクト」は、月ごとに、特に備えて欲しい気象災害について取りまとめています。1月にトクする!防災プロジェクトが特に備えを呼びかけたい災害は、こちらです。
①大雪
②暴風雪
③なだれ
④落雷
⑤低温
1月14日(土)から15日(日)にかけては、日本付近に強い寒波が押し寄せてくることが予想されています。日本海側では広い範囲で雪が降り、西日本や東海などの太平洋側でも雪雲が流れ込む恐れがあります。山沿いにお住まいの方やウィンタースポーツなどレジャーで山にお出かけの方は、「なだれ」に要注意です。
なだれ災害から命を守るために、なだれの特徴や発生しやすい場所・条件を確認していきましょう。

なだれの発生しやすい場所

なだれは、“すべり面”の違いによって「表層雪崩」と「全層雪崩」に分けられています。厳しい寒さの真冬に多いのは、「表層雪崩」です。古い積雪面上に降り積もった新雪が滑り落ちる現象を「表層雪崩」といいます。前触れなく突然発生し、時速100~200kmの新幹線並みの猛スピードで滑り落ちてくるという特徴があります。「全層雪崩」は、春先の融雪期などに多く発生し、時速40~80kmの自動車並みのスピードで地面に積もった雪が全て滑り落ちる現象です。表層雪崩は、全層雪崩よりも進むスピードが速いため、全層雪崩よりも被害範囲が広くなります。
■なだれが発生しやすい場所
・急な斜面
一般的に、傾斜が30度以上になると発生しやすくなります。特に35~45度が最も危険です。
※スキーの上級者コースと同程度の傾斜がある箇所や「落石注意」の標識が設置されている箇所は、危険な場所のひとつです。
・低木林やまばらな植生の斜面
中高木が密に生えている斜面では、なだれが発生しにくいですが、低木林やまばらな植生の斜面では、なだれが発生する可能性が高くなります。笹や草に覆われた斜面は、裸地よりも危険です。
■なだれが発生しやすい条件
「表層雪崩」の場合
・気温が低く、既にかなりある積雪上に、短期間で多量の降雪があったとき
※特に1m程度以上の積雪がある上に30cm程度以上の降雪があったときなど。
・急傾斜で、特に雪庇(せっぴ:山の尾根などからはり出している雪のかたまり)や吹きだまり(雪が風で吹き寄せられ堆積している場所)が斜面にできているとき
・0℃以下の気温が続き、吹雪や強風が伴うとき
「全層雪崩」の場合
・春先や降雨後、フェーン現象などにより気温が上昇したとき

万が一、雪崩発生の場に遭遇したら

もし、実際に雪崩発生の場に遭遇した場合は、雪崩の流れの端に逃げましょう!
また、雪崩に巻き込まれないためには、日頃から、自治体が公開しているハザードマップで「なだれの危険箇所」を確認しておくことも大切です。雪崩は、スキー場や観光地など様々な場所で発生する可能性があるため、レジャーなどでお出かけの際にも気象庁から発表される「なだれ注意報」や、大雪や暴風雪に関する気象情報などをこまめに確認するようにしましょう。