
阪神からメジャー入りを目指し、フィリーズとマイナー契約を結んだ青柳晃洋が、背水の陣を迎えている。
【写真】「村上宗隆より上」とメジャーの評価が急上昇なのはこの選手
青柳は招待選手としてスプリングトレーニングに参加してメジャー昇格を目指したが、4試合で防御率12.00と結果を出せずマイナーで開幕。3Aでアピールしたかったが、防御率7.45と結果を残せず、6月17日(現地時間)に不調の選手が試合の出場メンバーから外れて修正に専念する「ディベロップメント・リスト」に入り、26日には2A降格が発表された。2Aで再スタートを切った青柳は、同日に行われた2Aリッチモンド戦に先発登板して4回無安打無失点。ただし、4四球と課題の制球難は解消されていない。
青柳の投球を映像で確認しているという米国駐在のライターは、現状をこう分析する。
「制球難が課題と言われていますが、際どい球をことごとくボールと判定されるケースが少なくない。米国の審判に『制球が良くない』と先入観を持たれている影響もあると思います。ただ、阪神時代は荒れ球が武器になり、カウント不利の状況でもストライクゾーンに投げ込んでファウルや空振りを奪えていましたが、米国では打ち頃の球速となって痛打されてしまっている。絶対的な変化球もないので現状のままでは正直厳しいです」
2Aで結果を残せなければ、自由契約が現実味を帯びてくる。米国の他球団でメジャーの夢を目指すか、あるいは日本球界に復帰するか。
1年で日本復帰しても批判は出ない?
青柳は昨年オフに海を渡ったばかり。ポスティングシステムを利用して米国に渡り、1年で日本球界に復帰するとなれば、思い出されるのは上沢直之(ソフトバンク)の例だ。上沢は日本球界復帰の際に古巣の日本ハムではなくソフトバンクに移籍して批判を浴びたが、スポーツ紙デスクは「青柳と上沢では置かれた立場が違います」と指摘する。
「上沢は日本ハムで先発の大黒柱として活躍し、日本球界に復帰する際も日本ハムから獲得のオファーがありました。一方で、青柳は近年登板機会が減っていましたし、阪神が復帰のラブコールを送る可能性は低いでしょう。先発の頭数はそろっていますし、リリーバーで起用することは考えづらい」