
日経平均株価が5カ月ぶりに節目の4万円台を回復した。トランプ関税の行方が読めず、参院選も控える中、このまま4万円台を維持できるのか。
【写真】年末までに4万2千円まで回復すると話すSBI証券の鈴木英之投資情報部長
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27日の東京株式市場は前日終値より566円21銭高い4万150円79銭で取引を終え、年初来高値を更新した。
「やっと4万円台に戻ってほっとしています」
東京・兜町で4万円台をつけた株価の画面を見ていた会社員男性(49)はそう語る。昨年から新NISAを始めて投資デビュー。順調に資産が増えていたが、トランプ関税ショックで、世界的な株安が直撃した。初めて資産が目減りし不安を抱いていた。
「一瞬、売ることも考えたけど、我慢していてよかった。このまま株高が続いてほしい」
今回の4万円台回復の要因の一つは米国だ。
中東情勢の緊迫度が和らいだことや、米国の早期利下げへの期待感が高まったことで米国のハイテク株など幅広い銘柄が上昇した。
米国市場での株高を受け、日経平均も取引開始から上昇。一時4万200円台をつけた。
「この夏に4万円に回復するとは私を含めて、みなさん想定外だったと思います」
こう話すのはSBI証券の鈴木英之投資情報部長だ。背景についてこう分析する。
「米国株が堅調なことは、日経平均の上昇にもつながっていると思います。代表的な指標であるS&P500が、一時2月19日の高値を上回りました。AI相場が戻ってきて、半導体指数も年初来の高値です。国内では、半導体関連株は東京エレクトロンやアドバンテストといった日経平均への影響が強い銘柄が多いので、半導体関連株が上がると、日経平均も上がりやすいこともあると思います」
5カ月かかって4万円台まで回復した株価だが、今後はどう推移しそうか。鈴木氏は短期で4万1千円、年内で4万2千円と、今後も上昇基調が続くと予想する。