メジャー復帰は非現実的
米国メディアの報道によると、藤浪の代理人を務めるスコット・ボラス氏は米国だけでなく日本球界復帰を含めて移籍先を模索すると発言したという。現実的に考えると、メジャー復帰の道は険しい。
「制球力が定まらないという評価がメジャーの各球団で浸透している。投手のコマ不足に悩む球団はあるのでマイナー契約でオファーが来るかもしれないですが、期待値が高いとは言えないでしょう」(スポーツ紙デスク)
阪神の球団関係者は、「覚悟を持って渡米している。メジャーでプレーしたい思いは誰よりも強いと思います」と口をそろえるが、メジャー昇格が厳しい状況となれば、筒香嘉智(DeNA)のようにシーズン途中での日本球界復帰の可能性が出てくる。
ブルペン陣が不安なオリックス
国内復帰の場合、最有力候補と目されるのがオリックスだ。大阪で生まれ育った藤浪の地元球団で、ドラフト時には1位指名している。岸田護監督が就任して2年ぶりのV奪回を目指す今季は、優勝争いに食い込み、首位の日本ハムを追いかけている。
オリックスが頂点を狙う上で大きな不安要素が、ブルペン陣だ。救援陣の防御率4.40はリーグワースト。宇田川優希、吉田輝星がトミージョン手術を受けて長期離脱し、平野佳寿、山崎颯一郎、阿部翔太とリーグ3連覇の原動力となった投手たちは本来の状態からほど遠くファームで調整している。昨年、デビュー登板から22試合連続無失点とNPBタイ記録をつくった古田島成龍も、6月10日に2度目の登録抹消となった。中日から金銭トレードで岩崎翔を獲得したが、台所事情は苦しい。
「オリックスは藤浪がメジャー挑戦後も調査していると聞いています。日本で実績がある投手ですし、再生可能と判断すれば獲得に乗り出す可能性があります。藤浪からすれば大阪桐蔭でバッテリーを組んでいた森友哉の存在も心強いでしょう」
古巣の阪神は食指を伸ばすだろうか。スポーツ紙遊軍記者は否定的な見方を示す。
「先発、救援陣共に充実していますし、今の阪神で藤浪が1軍の戦力になれるかというと疑問です。工藤泰成、木下里都など剛速球を武器にする若手が頭角を現してきていますし、獲得することは考えづらいですね」