日本維新の会・岩谷良平幹事長(撮影/川口穣)
日本維新の会・岩谷良平幹事長(撮影/川口穣)
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 7月20日投開票の参議院議員選挙まで、1カ月を切った。衆議院に38議席、参議院に17議席を有する野党第2党・日本維新の会は、2025年度予算案に賛成するなど与党との距離が近い。ただ、最近は離党者が増えている現実もあり、6月22日に投開票された都議選では全員落選という厳しい結果が出た。果たして、参院選をどう戦うのか。岩谷良平幹事長兼選挙対策本部長(45)に聞いた。

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――自民党・公明党が衆議院で過半数を割るなかで迎える参議院議員選挙です。政権選択選挙との声もありますが、日本維新の会として目指すことや争点を教えてください。

 いま、衆議院で与党が過半数割れしていることで、教育無償化や社会保険料を下げる改革などわれわれの公約が実現し始めています。これをさらに加速させるために、参議院でも与党の過半数割れを目指します。争点として掲げるのは引き続き社会保障改革です。社会保険料が暮らしに直結している現役世代の皆さんの手取りを最も圧迫しているのが、この社会保険料なんだという点をしっかりと訴えていきます。

 一方で、他の野党と一緒になって政権交代をやるかと言われたら、それは慎重に判断しなければなりません。各党それぞれ主義主張があるなかで、仮に参議院でも与党が過半数割れしたとしても、直ちに政権交代が起きる状況ではないでしょう。

――与党との距離感について伺います。日本維新の会は2025年度予算案に賛成しました。かつては馬場伸幸前代表から「第2自民党でいい」との発言もありましたが、選挙後の連立入りの可能性はありますか。

 現時点では連立政権に入る考えは全くありません。われわれは政治改革、あるいは社会保障改革、統治機構改革、憲法改正などさまざまな重要政策を掲げています。そのすべてを丸のみする党というのは、自民党・公明党に限らずどの党が政権与党になったとしてもないと思います。大臣ポスト欲しさに連立に加わることはないし、連立に入ると政策実現の可能性が高まるより、手足を縛られる恐れのほうが大きくなるかもしれない。われわれとしては、どの党が政権を取っても過半数割れしているという状況のなかでキャスティングボートを握り、ひとつひとつ政策を実現していくことに集中したいと思っています。

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