岩谷幹事長(撮影/川口穣)
岩谷幹事長(撮影/川口穣)

目標が「6議席」となった理由

――日本維新の会は参院選での目標議席を「6議席」としています。党内からも「低すぎる」との声がありますが、目標を見直す考えはありますか。

 これは、正確に言うと「6議席以上」です。去年の代表選の際、吉村(洋文)代表が「現有議席以上」を掲げていて、それが6だったということです。「6」という数字を打ち出したのではなくて、現有を上回る議席を目指すというのが正しい表現です。それから、選挙ですから当然全員当選が目標で、これは一貫してそう言い続けています。重点選挙区も「すべて」ということになります。

――岐阜、和歌山選挙区では立憲民主党との候補者調整に合意しました。ただし、出馬を取り下げた側が一本化された候補を「支援しない」ことも確認されています。また、維新の会が提唱してきた「予備選」構想は他党に広がりませんでしたが、どう受け止めていますか。

 もともと、1人区でわれわれがほかの野党と競合していたのは岐阜、和歌山、滋賀、奈良の4県です。そのうちの2県で立憲民主党との間で予備選(と位置づける世論調査による一本化)が成立しました。半分で予備選ができたことは成功だと思っています。一方、滋賀、奈良には立憲だけではなく、国民民主党も候補者を立てています。われわれは2度にわたり参加を呼びかけましたが、残念ながら参加いただけず、予備選に至りませんでした。

 これまでのような密室談合的な調整による一本化は、やはり国民の皆さんからの不信を招くでしょう。いつ、どんな方法でやるかを明示したうえで、世論調査を活用して候補者を一本化することは、共産党を含めた野党全部でやるべきだと考えています。野党候補を一本化しなければ与党を利するだけと各党が常々おっしゃっているわけですから、オープンな形での候補者一本化は、次の国政選挙でも訴えていきたいと思っています。

――政党支持率や比例投票先の世論調査データを見ると、日本維新の会への支持は下落傾向です。現状をどうとらえていますか。また、原因として考えられることは何ですか。

 確かに一時ほどの勢いはなく、大変厳しく受け止めています。ただ、下落傾向かと言われると上がったり下がったりの状況ですし、そのなかでも一定の底堅い支持をいただいていることに感謝しています。さらに言えば、いま圧倒的に一番多い層は支持政党なし、無党派層です。この方々はかつて維新を支持していただいたこともあれば、あるいは時々で第三極的な政党を支持されてきました。その方々が今の政治に愛想を尽かしてまた無党派に戻っている状況だと思いますので、われわれの改革、実際にやってきた実行力や実績を訴えることで、もう一度維新に期待してもらえるよう努力しているところです。

次のページ ガバナンスが十分に利いていなかった