「本当に仕事がなかった」

 進化に貪欲であるのと同時に、「疑問に思ったら腑に落ちるまでできない」「頑固な」性格でもある。それゆえに、「遠まわりをしてきた」と言う。

 2009年に14歳で入所したものの、15年にダンスに定評のあるメンバーが集められて「Funky8」と名付けられるまでは「本当に仕事がなかった」。しかも、「Funkyのときは、正式なグループ活動はしていなくて、くくりみたいな感じやったんですけど、途中で一気に、8人に序列ができて」と振り返る。

「やったら、もう大人の言うこと聞かんとこ、と思いました。聞いたとて、って。まわりを見ても、言うこと聞いてる子が上に行けるわけでもないし、聞いてない子が上に行ってる場合もある。結局そういうもんなんや、じゃあ、大人の言うこと聞いて後悔するぐらいやったら、好きにしてやりたいことやったほうが、後悔なく終われるな、って。

 例えば、いっとき、髪色明るくしたらあかん、とかあって。髪染めんのも個性やん、あかん理由を説明してくれ、と言ったら、フレッシュさがなくなる、って。でも東京はOKやったんですよ。東京と関西の違い、なんなん?って(笑)。アクセサリーも、東京OK、関西ダメ。誰が言ってるのか聞いてもわかんないんですよ。社長が言ってるんやったら、もう社長に直接話に行く!ぐらいの気持ちやったんですけど、正式な回答が返ってこうへんくて。なんでそんなん守らなあかんねん、って。守ったとて評価が良くなるわけでもなし、じゃあ別にええわ、って。ピンクの髪で雑誌の取材に行って、めっちゃ怒られた(笑)。

 反抗もあったと思います。でもね、結局、関係なかったって俺は思ってる。あのころ言うこと聞いてたやつ、いま誰も残ってないから(笑)」

次のページ リミットを決めることの意味