[撮影:蜷川実花/hair & make up miura(JOUER)/styling 横田勝広(YKP)/costume Bottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)]
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 ロックなシャウト、ミュージカルのような深み、アイドル感たっぷりの甘さ。Aぇ! groupの楽曲の振り幅に負けないほど広い、末澤誠也の音域と声の表情。共通するのは、込められた熱だ。AERA 2025年6月23日号より。

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「デビュー。それ以外はないですね。俺、よっぽどじゃない限り、泣かへんから」

 6月18日発売のAぇ! groupの3rd Single同時収録曲「キミの七不思議」の歌詞に寄せて、「悲しくない涙」について尋ねたとき、末澤誠也はそう即答した。「安堵の涙ですよね。やっとか、という」

 昨年3月、デビュー発表を行った京セラドーム大阪で、涙がこぼれないように顔を上向かせた姿が思い出される。自身のリミットを30歳と決め、叶わなければ辞めると決めていた末澤にとって、29歳8カ月でのデビューはギリギリだった。

 それから1年余り。新人として数々のタイトルを獲得し、春には1st ALBUM「D.N.A」を引っ提げてのアリーナツアーで約36万人を動員。着実に実績を積み上げていることを思えば、必然だったと言えるが、本人は、「俺がデビューできた、というのは、結果論であって、運がよかったなと思ってる」と吐露する。

「そもそも[SUPER EIGHTの]大倉(忠義)くんと横山(裕)くんが関西Jr.をプロデュースすることになっていなかったら、まずAぇ! groupができていなかった。『運も実力のうち』じゃないけど、運と、時代の流れと、自分たちのタイミング、すべてがマッチしてやっとデビューできるんやと思います。このメンバーやった、っていうのは,ひとつ、Aぇ! groupの運命やと思う」

 一方で、「実力なんかなくても、伝わるもんって伝わると思ってる」とも言う。「結局ね、人間、人対人なんで。心を動かす、っていう意味では、熱量ってすごくでかい要素だと思う。Aぇ! groupは、できないなりに全力でやる。それって真似しにくい。熱量がみんな同じなんは、ひとつ、Aぇの武器かなと思いますね」

 先述の3rd Single「Chameleon」にも、その高い熱量は感じる。「曲調おしゃれやけど、歌詞はしっかりAぇ! groupっぽい。2サビとかね」と末澤。「向かい風に煽られ」てきたからこその「強さ」を持つ彼ら。その「独壇場」が楽しみだ。

(編集部・伏見美雪)

AERA 2025年6月23日号

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