
「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】まるでアメリカ! レンガ調外観のローソン1号店はこちら
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今年、私たちは創業50周年。さまざまなイベントを予定していますが、中でも私が非常に楽しみにしていることがあります。
いまも営業しているローソン1号店の「ローソン桜塚店」(大阪府豊中市)で、1975年開店当時の外観を再現する、という試みです。
当時この1号店は、現在のローソン店舗の姿とは、外観も店内も大きく雰囲気が異なっていました。
レンガ調の外観。店内も、こんなのデパ地下にもないんじゃないかというくらい大きなガラスのショーケースに、チーズやお総菜などがたくさん入っている。食パンはスライサーで切って提供するし、雑貨は舶来品といった感じでした。
思えば1975年は、64年に東京五輪、70年に大阪万博があり、超高度経済成長を謳歌しつつも、73年には石油ショックでトイレットペーパー争奪戦が起きるなど、景気の足元が揺らぎ、混乱気味の時代でした。そんなときに、「豊かなアメリカ」をそのまま持ってきた。その発想がまず斬新だな、と思うんです。
行ったこともないようなお店が、突然マチに現れた。当時の人には衝撃だったんじゃないかと思います。私は白黒の写真でしか見たことがないのですが、いま存在しても、クールですごくかっこいい風情をまとったお店なんじゃないか、と想像もしています。

今回は1週間限定で、桜塚店の店舗自体をラッピングし、当時の外観を再現します。そして店内ではAR(拡張現実)技術を使い、スマホ上で当時の売り場を映し出します(いずれも18日まで)。
そして全国のローソン店舗でも、スマホでローソンのミルク缶看板を読み込むと、同じくARを活用した1号店も登場する体験型コンテンツが楽しめます(30日まで)。ぜひ、楽しんでいただければと思います。
※AERA 2025年6月23日号
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