「20分の動画でも台本の量は膨大です」と松井証券の武藤さん(撮影・加藤夏子)
「20分の動画でも台本の量は膨大です」と松井証券の武藤さん(撮影・加藤夏子)

テスタ)武藤さんは動画のどこからどこまで作ってるんですか?

(武藤)たとえば、「アクティビスト(モノ言う株主)」とか「チャート」とか、その回のテーマをざっくり僕が考えます。そして松井証券の動画チームで掘り下げます。

「アクティビストがいろんなことを要求してるね」「株主還元は大事」「今回のテーマで個人投資家のみなさんはどこに興味を示しそうか」。

このあたりをプロの制作チームに5時間くらい説明。すると、おもしろい台本に起こしてくれます。それをまた松井証券側で練り上げて、見直して。

(テスタ)武藤さん自身も進行役で出演してますよね。で、どんどん会社で偉くなってるんでしょ?

(武藤)そうですね(苦笑)。

(テスタ)この4年で何回昇進したんですか?

(武藤)2回です。

(テスタ)さすが。普通の証券会社の動画とは違いますもんね。投資の動画っていうとマジメでお堅い雰囲気になりがちですけど、すっごくやわらかくしたことでみなさんに喜ばれている気がします。

徐々に台本が薄く…

(武藤)お笑いで楽しく、かつ、投資の情報として価値があるものを作りたいといつも思っています。

とっつきづらい投資用語が出てきたら、すかさずマヂラブさんが突っ込んでくれるのでありがたい。視聴者も「ああ、そういうことだったのね」と着地できますから。

20分ほどの動画ですが、とんでもない時間をかけて台本を……。

(テスタ)そんな大変な労力を使って作り上げた台本を、僕ら、ほとんど見ない(笑)。

(武藤)いいんです(笑)。台本を作ることで「この中だったら、はみ出してもいいよ」っていうゾーンを決めているような感じですから。出演者をしばらないほうがいいと思っていますし。

(テスタ)だんだん台本も薄くなってきた気が……。昔に比べると箇条書きが増えたような。

(武藤)それは出演者のみなさんが「やるべきことをわかっている」という信頼からです。お題だけはこちらで決めますが、そこから先はマヂラブのお二人やテスタさんで自由に進めてほしいです。

次のページ 株=パチンコだった