岡三証券 投資戦略部長 チーフマーケットストラテジストの小川佳紀〈おがわ・よしのり〉さん(撮影・山本二葉/朝日新聞出版写真映像部)
岡三証券 投資戦略部長 チーフマーケットストラテジストの小川佳紀〈おがわ・よしのり〉さん(撮影・山本二葉/朝日新聞出版写真映像部)
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 高配当株で心配なのが減配(配当が減る)や無配転落(配当がゼロになる)のリスク。株価急落に直結しやすく、大打撃を受けかねない。減配がなさそうな高配当株の選び方と、買い候補のベスト30。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】

【ランキング表】減配なさそうな高配当株ベスト30はこれだ!

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「減配や無配転落はプロにとってもネガティブサプライズで、経営不安につながりかねません。企業サイドも減配や無配が株価急落を引き起こすことは承知しています。

よって『業績がイマイチでも配当は維持します、いいときはできるだけ増やします』と宣言する銘柄も多い。これが『累進配当』です」

 と説明するのは、岡三証券投資戦略部長でチーフマーケットストラテジストの小川佳紀さん。

 累進配当は中期経営計画などで「約束」する形で「絶対」ではないが。

「増配銘柄がいいですが、どんな状況でも配当を減らさない銘柄は信頼できます。

安定配当銘柄を選びたいというニーズに応えているのが累進配当株。

業績のブレが配当のブレにつながるので、累進配当を掲げる企業は今後の業績に自信を持っているともいえます」

神戸製鋼所1位

 小川さんが、大型株と中型株が対象の「TOPIX500」採用銘柄の中から、過去5期において一度も減配したことがない企業を抽出して、配当利回りが高い順に30銘柄を表にまとめてくれた。

 この銘柄群は、累進配当が続いていて減配リスクが低めの株といえる。

 鉄鋼の神戸製鋼所が配当利回り5.31%でトップになった。

「神戸製鋼所の2024年の年間株価騰落率はマイナス13.5%。『株価が下がったゆえの高配当』の面はありますが、安定した売り上げで、利益もそこそこ出ています。

今後はトランプ政権による鉄鋼製品への25%関税が不安要素」

 2位は、減配リスクが低そうなアステラス製薬で4.99%。

「製薬会社の多くは新薬の大ヒットこそないものの、これまで発売した医薬品の収入が安定して入ってきます。

アステラス製薬や14位の武田薬品工業の場合、利回り4%台の配当を5年、10年と受け取ることができれば、株価はそこそこでいいという人もいます」

本記事が丸ごと読める「AERA Money 2025夏号」はこちら!
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