占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:最近よく物をなくします。わりと注意深いほうで、これまでの人生でなくし物はほとんどないのですが、去年あたりからなぜか増えました。まず、出張先で家の鍵を落としました。買ったばかりのネックウォーマーは一度も使わないまま家の中で消えました。さらに名刺入れ、USBの変換コネクターも。小人に隠されたとしか思えませんが、どう気をつけたらいいでしょうか。(女性/会社員/38歳/みずがめ座)

A:そもそも僕が占いという仕事に興味を持った一つのきっかけなんですが、占いは昔からある学問でもあります。そして人の一生を占いの技法で見ると、身の回りに起こる出来事やその人を待ち受けている運命みたいなものが、激変する時期があります。次の章に進むみたいな感じ。もちろん人によりますが、人生でだいたい5、6回は章が変わる気がします。

 そういうとき、占いの技術を使えば、ある程度予習ができます。例えば、これまでの5年間は穏やかな風が吹いていたけど、これから先の5年間は結構強風が吹いたりもするから、あなた自身もこれまでの優しい性格じゃなくて「来るなら来い」みたいな強気の自分を鍛えていく必要がありますよ、というようなアドバイスを、占いでは伝えることができる。人が生きていくために必要な、転ばぬ先の杖みたいな存在が、占いだと思っているんです。

 そして、注意していてもものをなくすというのも、まさに章が変わる前触れなんだと思います。酔っ払って財布なくしちゃったというのとは違って、大事にしていて、なくすわけがないものがなぜかなくなってしまう。

 そうするともう一回自分の身の回りのものを買い揃える必要があるし、その人自身もちょっと新調されますよね。引っ越しをするのと同じ感覚です。そういう周期に入っているサインだととらえていいと思います。おそらくこれまでの習慣とか環境、自分の周囲にあるルールも変わっていきます。

 アドバイスとしては、第1章、第2章、第3章のように章が変わっていくイメージで、自分自身も生まれ変わって行動パターンを変えてしまいましょう。人格が入れ替わっちゃったみたいな感覚を持って、例えば飲みに行くのが好きじゃなかった人なら、ちょっと飲みに出歩くチャレンジをしてみたり。そういうのを試すのも面白いし、ものをなくしにくくなると思います。

 みずがめ座は、対人関係とか、自分のお気に入りの過ごし方とか、各場所にそれぞれ自分なりのルールを持っている人が多いです。人生激変期を迎えた時はそれらのルールを見直すチャンス。例えば「丁寧さ」を大事にしてきた人は、その丁寧さを一旦脇に置いて、ちょっと軽い感じを出してみるとか。そうすると打開できていくと思います。

AERA 2025年6月16日号

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