
高配当株ETFの中で純資産総額3200億円超とトップに君臨するのは野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」。
新NISAの成長投資枠で買われているETFの中でも群を抜いて購入する人が多い。
組み入れは2025年3月12日現在、49銘柄(原則50銘柄)。これら49銘柄を100株ずつ市場で購入すると同日終値で1342万円もの資金が必要だった。
そんなにお金を出さなくても、このETFを1口買えば2320円(同日終値)で済む。千円札2枚とちょっとで日経平均高配当株50銘柄をまとめ買いできるのは、手軽である。
一つ気になることがある。
高配当株ETFは一定のルールに沿って選ばれた高配当株を自動的に組み入れて運用する。配当利回りが高いだけの銘柄が入ってきたりしないか。どれくらい厳しく精査しているか。
野村アセットマネジメントETFソリューション部長の吉川龍也さんに聞いた。
無配転落は2銘柄のみ
「『NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信』が連動を目指す『日経平均高配当株50指数』には、3期連続赤字や期末予想が無配になった銘柄を除外するルールがあります。そうした基準を設けることで、組み入れ銘柄の減配や無配転落のリスクを減らす設計です。毎年6月末に銘柄入れ替えが行われますが、2020年6月以降の約5年間において業績不振で無配になった銘柄は2銘柄しかありません」
銘柄入れ替えが毎年1回あって、無配になった銘柄は除外。5年×50銘柄で、のべ250銘柄に対して無配は2銘柄だから、打率(?)は悪くない。
もともと日経平均株価採用の225銘柄から高配当株を50銘柄抽出する指数なので、「日経平均株価の厳しい採用基準」もクリア済み。
時価総額が大きく、流動性の高い銘柄ばかりだ。業績が安定していて、減配リスクも小さいだろう。
このETFの組み入れベスト15を下の表に示したが、1位は武田薬品工業。以下、みずほフィナンシャルグループ、日本製鉄、ソフトバンク、商船三井……と続く(2025年2月28日現在)。
