
「実家暮らしを否定的に見る人が多いのは事実です。プロフィールに『親と同居』と書かれているだけで、NGを出す会員様も少なくありません」と話すのは大阪の結婚相談所「町のブライダルミューナ」を運営する町優香さんだ。
自分が実家暮らしでも
不思議なことに、自分が実家暮らしで家事などを親任せにしている当事者なのに、「親と同居」の異性をNG扱いする人もいるのだという。
だが、町さんは、「子ども部屋~」とレッテル張りする風潮には懐疑的だ。仲人として見る現実とは、「乖離がある」と話す。
「親と暮らしているから、その方がダメな人ということはまったくありません。実際、弊社の会員様でも、親と同居の会員様は成婚まで時間がかかる印象はありますが、一人暮らしの方と比べて成婚率に特に差はありません。なかなか相手が見つからなかった40代の男性で、思い切って一人暮らしを始めたら、すぐに成婚に至ったというプラスに働いた事例もありますが、テレビ番組などで『残念な人』扱いをされたり、面白おかしく取り上げられたりして、『何か問題がある』というイメージが膨らみ過ぎているように感じます」
会員には男女問わず、安定した収入があり、家にお金を入れて、家事もこなすなど親を支えつつ自立した形で共同生活を送っている人もいれば、親に甘えっぱなしの人もいる。
一人暮らしでも家事がほとんどできず、掃除もしないから部屋が荒れ放題という人もいた。形態は人それぞれだ。
根拠のない不安に苛まれている
町さんによると、会員の中で「親と同居」に偏見を持ったり一方的にNGを出したりする人には、ある共通項があるという。それは心の内にある「根拠のない不安」、しかも、とても強固な不安だ。
例えば、親と同居の人イコール、
▽自立していない
▽家事ができない
▽結婚したら相手の親と住まないといけない
▽収入が低いから家を出られない人。収入を頼られる
などといった事実かどうかもわからない不安を、その人がどうなのか確認もしない前に一方的に抱えてしまう。
漠然とした将来への不安
また、実家暮らしの人も、
経済面などで漠然とした将来への不安を抱え、家を出ようとしないケースが目立つという。
こんな事例もあった。