CMに引っ張りだこのダイアン津田 写真:つのだよしお/アフロ
CMに引っ張りだこのダイアン津田 写真:つのだよしお/アフロ
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 今、ダイアンの津田篤宏がCM業界で引っ張りだこになっている。ユニクロが展開する母の日キャンペーンでは、母親のきみ子さんと共に起用され、新聞広告とウェブ動画が公開された。

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 過去に『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の「名探偵津田」という企画の中で、急に新潟のホテルに行かなければならない立場に追い込まれた津田が、マネージャー役の女性に対して「長袖をください」「ユニクロ寄ってください」と必死に訴える姿が話題になっていたことがあった。この発言を踏まえて津田を起用したと思われる制作者サイドにはちょっとした遊び心を感じる。

 また、ダイドードリンコの新商品「FRISK SPARKLING GRAPE」の広告キャンペーンにも津田のギャグ「ゴイゴイスー」が活用され、それをもじった「#ゴイゴイスースー」という言葉がプロモーションコピーとして使われている。それ以外でも、サントリー、三井住友銀行など、名だたる大企業のCMにも続々と出演している。芸人としてキャリアを重ねてきた彼が、なぜ今、広告業界から熱視線を集めているのだろうか。

M-1決勝進出など芸歴は長い

 ダイアンは2000年にコンビを結成しており、すでに芸歴は長い。『M-1グランプリ』では2007・2008年に2年連続で決勝に進んだが、全国区でブレークすることはなかった。その後も大阪を拠点に長らく活動を続けていて、大阪で多数のレギュラー番組を持っていた。2018年に東京に進出したことで仕事の幅が広がり、津田の「イジられキャラ」としての才能が開花して、大ブレークを果たした。

 『水曜日のダウンタウン』の「名探偵津田」では、津田が探偵役としてドラマの世界に巻き込まれ、心底だるそうにしながら事件の解決へと向かっていく。体力的にも精神的にも極限まで追い込まれることで、そこににじみ出る人間性が笑いを誘う。津田はそういうタイプの芸人である。

 人間の器をコップのようなものだと考えてみよう。普段の生活で嫌なことがあったり、つらいことや悲しいことを経験したりすると、この中に少しずつ水がたまっていく。コップが満杯になると水が外にあふれ出してくる。このとき人は激しく怒り出したり、泣き出したりする。わだかまりが一気に表に出てくるのだ。

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