
ドジャース移籍1年目の佐々木朗希が、「右肩インピンジメント症候群」で負傷者リスト入りしたことが13日(現地時間)に発表された。日米のメディア報道によると、佐々木は5月9日のダイヤモンドバックス戦で先発登板後に右肩の痛みを訴えたという。数週間前から患部に違和感を抱えていたことも明らかになり、プロ入り初の中5日で先発登板したことで状態が悪化した可能性がある。
確かにこの試合は精彩を欠いていた。5回途中まで2本塁打を含む5安打3四死球で自己ワーストの5失点。三振は1つも奪えなかった。直球が平均球速94.8マイル(152.5キロ)と空振りが奪えず、変化球もスプリット頼みのため打者に見切られてボール先行でカウントを苦しくした。
佐々木を取材してきたスポーツ紙記者は「体が重そうだったし、球が走っていなかったので、体に異変が起きていたと聞いて納得できました。日本でもシーズンを通じて先発ローテーションで投げた経験がなく、故障で戦列を離れることが多かった。どんなにすごい球を投げても、稼働が続かない『ガラスの肉体』であれば、首脳陣の信頼を勝ち取れない。今後メジャーで活躍するためには、故障をしない体づくりが佐々木にとって大きなテーマになります」と指摘する。
異国の地に適応するのは時間がかかる。NPBとMLBとのボールの違い、長距離移動や東海岸と西海岸の寒暖差や気圧の違いなどに慣れなければいけない。投球技術だけでなく、心身共にタフでなければ生き残れない世界だ。佐々木は昨オフにポスティング・システムでメジャー挑戦する際、米国の各メディアから「大谷翔平(ドジャース)を超える逸材」と大々的に取り上げられた。高卒3年目の22年に史上最年少で完全試合を達成し、その後に日本人選手最速タイの最速165キロを計測。23歳の剛速球右腕はメジャー20球団の争奪戦となった。
ただ、ドジャースとマイナー契約を結んでから4カ月が経ち、現地メディアの見る目が明らかに変わった。開幕から先発ローテーション入りしたが、8試合登板で1勝1敗、防御率4.72。外野を守るアンディ・パヘスの好守に何度も助けられた側面があり、防御率はもっと悪い数字だったとしても不思議ではない。