
「誰かの話を聴けることですね。それも長時間聴けること。その人の素に触れることができる一番のメディアだと思います」
パーソナリティーの多様化が進んだり、長寿番組が終了して大型新番組が始まったり、はたまた放送枠の大幅な改編がおこなわれたり……。2025年春のラジオも、ここ数年のうちでは比較的大きな改編がおこなわれて話題を呼んでいる。
前出のTOKYO FM「喋るズ」もしかり。またこれまで芸人やミュージシャンのパーソナリティーが比較的多い局として知られていたTBSラジオも、今回の改編で22時枠は、あえてそれ以外のジャンルで活躍している人をパーソナリティーとして起用した。
「クリエイター、俳優、声優、アスリート、アイドルとあまりTBSラジオに馴染みがなかったボーダーレスなラインアップを並べたことで、新規リスナーが獲得できたのではないかと思います」(TBSラジオ広報)
そのひとりが、キックボクシングの神童と呼ばれ、ボクシング転向後も無敗を続ける那須川天心さんだ。春から新番組「那須川天心のかんきもラジオ」に登場して人気を呼んでいる。
「日頃から、『ファンもアンチも含めて色んな意見の人と直接話したい!』という想いから、リスナーと電話で話し、質問に答えたり、相談に乗ったりします。現役バリバリのアスリートが生放送にチャレンジしているのも珍しいことかなと」(同)

イベントも大人気
ほかにこの22時枠には、昨年、「安住紳一郎の日曜天国」で安住さんの代打を務め、「ジワジワとハマる人」が続出しているという、声優界のトップスター佐倉綾音さんや、2024年9月にデビューしたばかりの5人組ボーイズグループ「WILD BLUE」も登場している。
いまや、ラジオは聴くだけではない。ラジオやポッドキャスト番組発のイベントも大人気で、24年2月には東京ドームで「オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム」が、今年3月には日本武道館でポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のイベント「オーバーザサン 私たちのレッドカーペット」が開催された。
TOKYO FM編成制作局編成部長の蘭有紀子さんは語る。
「今年8月には、2件の番組発イベントを予定しています。今年で3回目となる『ダレハナ夏祭り』(「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」)、そして『Skyrocket Company 歌って!踊って!大宴会!』です。開局55周年の今年、秋以降も続々イベントを予定しておりますので、ご期待いただけたらと思います」
(ライター・福光恵)
※AERA 2025年5月19日号
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