「水曜喋るズ リリー・嶋佐のソプラノC」(TOKYO FM、水曜20:00-20:55)の生放送に、別フロアで収録中のヒコロヒーさんが乱入。曜日の垣根を越えたコラボも今後増やしていきたいとのこと。「ソプラノCはエッジの利いた音楽企画/トーク企画を中心に、まるで男子校の部室のようにはしゃぐ二人の魅力が光る、他のメディアでは見ることのできない唯一無二の番組と感じています」(プロデューサー・橋本さん)(写真:TOKYO FM提供)
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 ポッドキャストやradikoなど、新たな音声メディアも含めると「ラジオ」のリスナーは増えているという。SNS展開やイベント開催なども活発で、新たなコミュニティー形成のハブにもなっている。AERA 2025年5月19日号より。

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 月曜日はレインボー(「エフエムレインボー」)、火曜日は銀シャリ・橋本直とガクテンソク・奥田修二(「橋本・奥田の銀銀学学」)、水曜日は見取り図・リリーとニューヨーク・嶋佐和也(「リリー・嶋佐のソプラノC」)、木曜日はヒコロヒー(「トーキョー・エフエムロヒー」)──。20時、「東京」という地名を戴くFM局から、軽妙な関西弁が流れる。

 今年1月からTOKYO FMが「新たなチャレンジ」として編成した「喋るズ」の4番組は、報道番組や帰宅後の単身女性をターゲットに番組を編成してきた同枠の方針を大きく転換。

 同局制作部プロデューサーの橋本颯希さんによると、「AMラジオの専売特許ともいえるお笑い芸人ラジオの一般的なイメージを逆手に取り、あえて『芸人×FM』を打ち出し、今までになかった芸人ラジオコンテンツを目指しました。また出演者ラインアップについては、この番組でしか聴けない組み合わせや、テレビやネットでは見ることのない独自性を重視しました」という。

若いリスナーの増加

 その復活が話題になっている「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)の統括プロデューサーの冨山雄一さんは、著書『今、ラジオ全盛期。』(クロスメディア・パブリッシング)のなかでこう語っている。「ラジオ業界について聞かれることが多くなりました。そんなとき、僕は『21世紀に入って、今、若者がいちばんラジオを聴いています』とキャッチコピーのように話しています」

 ポッドキャストやradikoなど新たな音声メディアを「ラジオ」にくくるとすると、聴くための手段が爆発的に増えて、同時に「ラジオ」の若いリスナーは増えている。

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