混沌とした現代だからこそ、これからの社会に必要なのは「人文知」である、という理念のもと「世界史データベース」の開発や「コテンラジオ」の運営に取り組んでいる株式会社COTEN代表取締役CEOの深井龍之介さん。花まる学習会代表の高濱正伸先生も大ファンの番組です。今回は2人が対談。発売中の「AERA with Kids2023年秋号」から抜粋してご紹介します。

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古典には、人間の生きざまのあらゆることが詰まっている

高濱 今年になってからかなあ、いろいろな経営者やイケてる人たちが「『コテンラジオ』って知ってる? 面白いよ」って言うんですよ。で、聴いてみたらこれがメチャクチャいい。まだ知らない人もいると思うので、どんな番組か説明してもらえますか。

深井 ポッドキャストで配信しているインターネットラジオで、ユーチューブでも見られます。学校では教えてくれない歴史の面白さを、メンバー3人でワイワイ伝えています。

高濱 テーマがとんでもなく豊富だよね。

深井 歴史上のイベントや人物にフォーカスしたり、宗教やお金、教育の歴史といった切り口で話したり。今までで500近いコンテンツを配信してきました。

高濱 一方的な歴史解説じゃなくて、会話のキャッチボールを聴いているうちにそのテーマにググッと興味がわいてくる。知的快感を覚えるというか。

深井 知的快感。それを僕自身も追求しています。僕ともう一人が歴史大好き人間で、事前にそのテーマについてスタッフと一緒に100冊くらいの本や資料を読んでガッツリ勉強して台本を作ります。そしてもう一人、彼がMCなんですが、歴史にまったく詳しくない歴史弱者(笑)なので、その組み合わせがいいのかも。

高濱 そうそう、彼が僕たちのかわりにいろいろ聞いてくれているからね。番組自体が部室内でのおしゃべりというか、バンドのトリオというか、とにかく楽しい。僕は、学生のときに歴史は暗記科目だと思って嫌っていたことを後悔したくらいですよ。上っ面だけでなく、もっと歴史を深く勉強しておけばよかったって。

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篠原麻子
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