
AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2025年5月19日号では、ZenGroupのソン・マルガリータさんとスロヴェイ・ヴィヤチェスラヴさん夫婦について取り上げました。
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夫27歳、妻26歳で結婚。息子(5)と3人暮らし。
【出会いは?】2006年春、妻が富山大学に留学した際に、元留学生だった夫と友人のつながりで出会う。5月の晴れた日、満開のチューリップフェアに行き、交際がスタート。
【結婚までの道のりは?】4年間の交際のなかで「お互いの実家に行ってみよう」となり、お互いの家族に受け入れられ自然に結婚となった。結婚式はロシア、ウクライナ、日本で3回行った。
【家事や家計の分担は?】妻は平日の夕食を、夫は前日の朝食と登園準備を担当。そのほかの家事はお互いの不得手を補い、平等に分担している。家計は夫の口座から支出、妻の口座は貯蓄用。
妻 ソン・マルガリータ[41]ZenGroup 代表取締役
Margarita Son◆1984年、ロシア・サハリン生まれ。2006年に富山大学へ留学。同年、ロシア・ウラジオストクの極東連邦大学を卒業後、東京大学の研究生、旅行会社勤務を経てZenGroupを創業。「ZenMarket」事業部のオペレーション、物流センターオペレーションと人事部を担当
私は韓国系ロシア人で祖父母が日本語を話せたこともあり、日本は身近な存在でした。それでも日本に留学したばかりのとき夫に出会って、どこかホッとしたことを覚えています。ウクライナとサハリンは7千キロメートル以上離れていますが言葉は近く、共通の文学や音楽で育ってきたバックボーンがありました。
ともに日本が好きで住み続けたいと考え、会社を始めました。日本の素晴らしい商品を自由に買えない国や地域がまだある。そこに届けたいという思いを共有しています。
出産後に1年半ほど仕事を休んだときは正直つらかったです。仕事をせずに家にいることは刺激がなさすぎました。外国人にはヘルプの手が少なく、出かけようにも子どもを見てくれる人がいない。夫婦で協力し合い、朝5時から8時は夫の育児タイムでした。
息子は最近ようやく夫の両親にプラハで会うことができました。いまもウクライナに住む彼らを案じています。安全に家族が行き来できる日が来ることを願っています。