
この白いスーツも、うしろの襟をふんわりと立たせた雅子さま定番のデザイン。白のくるみボタンやジャケットの裾や袖口、そしてスカートの裾もすべて丸みを帯びた優しいラインで、スタイリッシュな水色のパンツスーツと好対照なデザインだ。
「ジャケットは、着物のシボ(細かい凹凸やシワを施した加工)を思わせる素材で、着物の衿元をイメージさせる和の要素が入った襟のデザインが印象的です。愛子さまの穏やかなお顔立ちもあいまって、まさにお姫さまのような雰囲気のスーツです」
石原さんが驚いたのは、この1年で愛子さまの雰囲気が、より洗練され大人びたことだという。

1年前の愛子さまは、同じ白のスーツ、おそらく同じ真珠のネックレスとリボンモチーフのブローチを合わせていた。
「このときは、丸みをおびた飯盒(はんごう)のような可愛らしいバッグを両手で持っておられ、大学生のような初々しさが残る着こなしでした。それからおよそ1年。万博会場では、持ち手が一本のエレガントなバッグを左腕にかけ、白い手袋を優雅にお持ちでした」
スーツもジュエリーも靴もほぼ同じにもかかわらず、洗練されたたたずまいに、愛子さまのご成長をしみじみと感じたという。
母娘の絆が伝わる
2日目、愛子さまはシンガポール館を訪ねた。ここには、1993年に天皇陛下(当時、皇太子さま)と雅子さまのご結婚を祝い、名付けられた新種の蘭である「マサコ・コウタイシ・ヒデンカ」が展示されていた。愛子さまは蘭の花を眺めると、
「純白ですね。母も喜ぶと思います」
と、にっこり。母の日を前にして、母娘の絆が伝わるようなやり取りだった。
愛子さまは、2日間で8カ所の施設を回り帰京された。お住まいでは、万博ご訪問について、ご家族でお話も弾んだことだろう。
(AERA 編集部・永井貴子)
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