
本人は覚悟をしていたかもしれない。タイガースの前田健太投手がメジャー40人枠から外れる「DFA」を通告され、事実上の戦力外となったことが5月1日に球団から発表された。今年は開幕からリリーバーで起用されたが、7試合登板で0勝0敗、防御率7.88と不安定な投球が続いていた。
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「タイガースは我慢強くチャンスを与えたと思います。ただ、球にキレを欠いたうえに生命線の制球も定まらず、痛打を浴びるケースが目立った。今後のチーム戦略を考えた時、若手に登板機会を与えたいと考える判断は妥当でしょう」(米国駐在の通信員)
メジャー挑戦1年目の2016年にドジャースで自己最多の16勝を挙げるなど、ドジャース時代には2ケタ勝利を3度マークしたが、23年オフに2年2400万ドル(約34億8700万円)で加入したタイガースでは苦しんだ。先発の柱として期待された昨年、29試合登板で3勝7敗、防御率6.09。直球が走らず、変化球を見極められて長いイニングを投げられない。シーズン途中から救援に配置転換された。先発返り咲きを目指した今年も2年目のオープン戦で防御率4.91とふるわず、再び救援に配置転換されたが結果を残せなかった。
今後はトレードかウェーバーで他球団への移籍を目指すが、高年俸を引き継いで獲得するメジャー球団が現れる可能性は低い。移籍先が見つからなければタイガース傘下のマイナーに降格するか、自由契約を選択することになるが、マイナー契約を選ぶ可能性は少ないだろう。
「今年1年メジャーでプレーすれば、10年間のメジャー登録条件を満たして満額の年金となる年間275000ドル(約3960万円)を受け取れます。今年いっぱいは米国でのプレーを模索するのではないでしょうか。現状のパフォーマンスや37歳という年齢を考えるとメジャーで通用するかシビアな判断を下す球団が多いと思いますが、実績はある投手なので自由契約となれば下位に低迷している球団が低年俸で獲得する可能性があります。ただ、メジャー契約は厳しいと判断したら、シーズン途中で日本球界に復帰する選択肢も考えられます」(米国駐在の通信員)