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 チャレンジをしていくことは大事だと思いながら「無理かもしれない」「自分にはできない」とついネガティブになってしまう人はいないだろうか。自身も「なにをするにもハードルが高かった」という中島輝氏は、考え方を変えることによっていろいろなことにチャレンジできるようになったと語る。お金持ちに共通する判断基準を、一般財団法人「自己肯定感学会」代表・中島輝の『なぜあなたはお金持ちになれないのか』(朝日新聞出版)から一部抜粋して解説する。

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お金持ちの判断基準は「やるかもっとやるか」

「そんなこと、自分にはできない。無理」。そう思った時点ですべて終わってしまいます。でも実際、そういう思考パターンの人は多いです。私もその1人でした。何をするのもハードルが高く感じられ、「自分にはできない」と思っていました。そんなにうまくいくわけないじゃん、というのが私の基本的なスタンスだったのです。

 人は「無理」と思った時点で手を出しません。だからいつまでたっても「無理」なままなのです。私がいろんなことにチャレンジできるようになったのは、「そんなの無理」から「無理と決まったわけじゃないかもね」と考え方を変えることができたときでした。 自分の中に未知のことに対する対応力が生まれたのです。

 お金持ちは自分に対する絶対的な信頼感を持っているので、「そんなことは自分にはできない」とは毛ほども思いません。どんなことでもやろうと思えばできると思っています。一般の人の判断基準が「できるかできないか」だとしたら、お金持ちの判断基準は「やるかもっとやるか」なのです。
 

即断即決は大得意

 即断即決ができるのもお金持ちの特徴です。思えば人生は選択の連続ですよね。朝、パンを食べるかご飯にするかといった小さな選択に始まり、人生の岐路となる進学先や就職先の選択、仕事に就いたら日々の業務の中で何を優先するかの選択を迫られます。

 お金持ちの仕事は規模が大きいので、選択次第で関わる人の数や動くお金の額が大きく変わり、どれを選択するかで将来のビジョンも異なってきます。普通の人なら怖くてどの道もすぐには選べず悶々としそうなところですが、お金持ちはスパッと決めます。その思い切りのよさは、見ているこちらが怖いと感じるほどです。

 なぜ即断即決ができるのでしょうか。それは自己決定力を持っているからです。自分のこれまでやってきたことを明確に認識し、分析できているので、「今、どれを選べばいいか」がわかるし、「今こそそれをやるべきだ」あるいは「今はまだその時期でない」「そのことはやらないほうが賢明だ」と即断即決することができるのです。

「自分にはやれる」という確信は、驚くほどの力を生み出します。特に勝負の世界では顕著にそれが現れます。水泳や陸上などスピードを競うトップアスリートの場合、金メダルに届くか銀メダルで終わるかの差は、コンマ何秒の差ということがよくあります。まさに爪の差1枚分くらいということもあるでしょう。その爪の差1枚分で1位を取る人は、「何が何でも1位を取ってやる!」という覚悟に満ちた人なのではないかと思います。

 やれると思ったらやれるし、「やれるかな?」と疑っているうちはやれない。そういうことなのではないでしょうか。

(一般財団法人「自己肯定感学会」代表・中島輝)
 

なぜあなたはお金持ちになれないのか お金に好かれる体質のつくり方
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