まるやま・りゅうへい(hair & make up 中嶋竜司(HAPP’S.)/styling 壽村太一(COZEN)/写真 篠塚ようこ)
この記事の写真をすべて見る

 5月16日に公開される映画「金子差入店」で、8年ぶりの主演を務めるSUPER EIGHT丸山隆平。演じるのは、刑務所や拘置所に収容された人々への差し入れを代行する「差入店」の店主。いまの社会に対するメッセージが詰まった作品に、自分の人生を振り返って丸山自身が見つけた「大切なもの」とは。AERA 2025年5月5日-5月12日合併号より。【前編はこちら】丸山隆平「人それぞれがひとつの作品」 アイドルとしての生き様を通して届けられること

【写真】8年ぶりに主演映画を務める丸山隆平さんはこちら

*  *  *

 この映画には、「メッセージや思いがたくさん詰まってると思うんですね。いまの社会に対してとか、家族に対してとか」と丸山は言う。

「犯罪が意外に身近で、物騒な現代だからこそ、何を大事にするべきか、という希望みたいなものも、いろんな側面から考えられる映画だと思います。最近はわかりやすい作品が多くなっていて、それはそれでいいと思うんですけど、さあ、君はどうするんだい?と問われるような、そういう余韻、余白のある映画だな、と。僕自身、なんか久しぶりに映画観たな、っていう感じがあります。いい作品に参加させてもらったぜ、イエーイ!みたいな(笑)」

 丸山の言葉通り、本当に多くのことを考えさせられる作品だ。例えば作中、差入店の前に並べた花の鉢が割られるという“人の悪意”が繰り返し描かれる。もしも身近な人がそうした悪意に晒されていたら、我々はどうすればいいと思うかと尋ねると、「いまはもう、鉢がSNSになっていますよね。匿名の悪意でね」と頷き、こう答えてくれた。

「僕としては、うまい飯に連れていく、カラオケ行って発散する。学生時代のように、同じ時間を過ごすかな。仲間でバーベキュー行くとか、森林浴するとか、遊園地行くとか、本丸に向き合う時間をちょっと逸らせるというか、場面替えみたいな。そのなかで、ぽろっと本人が言えるようになったら、ちょっと緩和されていると思うので。極力自分の意見は入れず、聞くっていうことを、まず、するかな。言えない、がたぶんいちばん危ない状態だから、聞くぞ今日は!とかじゃなくて、言えるような状況に自然となればいいな、ぐらいの感じで」

次のページ 「お金=豊か」ではない