
予算は少なくても、面白い作品を生み出せる場
ただ、一つ言えるのは、「テレ東らしさは、少ない予算の中で工夫するからこそ生まれる」ということ(笑)。うちは、高いギャラで今をときめく人気俳優をキャスティングすることは難しい。ドラマ専用に使えるスタジオも持っていないので、撮影セットは既存の建物をそのまま使うか、雑居ビルのワンフロアを借りて組むしかない。制作会社の方々にもご負担をおかけしており本当に心苦しいですが、みなさん知恵を絞ってくださいます。
監督や脚本家も、大御所ではなく、ネクストブレイクが期待される才能を常に探しています。若さゆえの自由な挑戦ができる環境は用意していますが、あまりにとがりすぎると一般受けしなくなる。うまくバランスをとって世の中に届く作品に仕上げるのが我々プロデューサーの重要な仕事です。
ありがたいことに、「ドラマ24枠に出たい」「書きたい」と言ってくださる俳優やクリエイターは非常に多い。予算は少なくても、面白い作品を生み出せる場として評価されているので、そのブランドは守らなければと考えています。
――ブランドを守るためにしていることは?
今は不倫モノなど女性のドロドロした部分を描いたレディースコミック的な作品や、韓国ドラマのような復讐モノや胸キュン作品が数字を取りやすい傾向にあると感じています。でも、そういうテイストばかりが続いて枠のイメージがついてしまうと、俳優もクリエイターも離れてしまうかもしれないし、視聴者にもいつか飽きられてしまう可能性があります。