
エッチな深夜ドラマばかり作ってきたけれど…
だからこそ昨年、テレビ東京開局60周年特別企画として「生きとし生けるもの」というドラマを担当したことは、今後の仕事を考える上で良い機会になりました。エッチな深夜ドラマばかり作ってきた私が、余命宣告された患者と人生に悩む医者のドラマを作るなんて、自分でもどうした!?って思いましたよ。でもこの経験を機に、共感を呼ぶというフェーズから、その一歩先を考えるようになりました。人々を元気づけ、「生きるって悪くないよね」って思ってもらえるような作品が、今の理想です。

自分だけでなく社会も変わっていくので、どうすれば世の中に届くのかという点でも試行錯誤しています。若い世代は、面白いと確実に分かっている作品しか見ない“タイパ”重視。番宣では、一番面白いシーンを切り抜き動画にしてTikTokに流すのが主流となりつつありますし。そしてなにより、番組がネット上で消費される“大配信時代”は、テレビ局にとって大きな転機となっています。
〈【後編】「ネトフリとは戦わない」 テレ東のヒットメーカー・祖父江Pが“バズる”より大切にしていること へ続く〉
(AERA編集部・大谷百合絵)
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