最後にこの春突然現れた選手として平野大智(亜細亜大・投手)を挙げたい。開幕2戦目の東洋大戦でリリーフ登板すると筆者のスピードガンで最速155キロをマーク。その後の2試合もいずれも1イニングの登板ながらストレートの平均は150キロを上回り、東都大学の強打者を相手に球威で圧倒する投球を見せているのだ。ただ速いだけでなく、フォームのバランスが良く、コントロールも安定しているというのも長所だ。ちなみに昨年までリーグ戦での登板は1試合もなく、この春が公式戦のデビューであり、プロのスカウト陣からも驚きの声があがっていた。実績が乏しいことから社会人に進む可能性が高いという声も聞こえてくるが、短いイニングであれば既にアマチュアでもトップクラスの投球を見せられる力があることは間違いない。過去にも同じ亜細亜大から平内龍太(巨人)が最終学年でいきなりブレイクして1位指名となった例もあるだけに、今後の動向にぜひ注目してもらいたい大器である。
(文・西尾典文)