「知らない番号からの電話は出ない」が当たり前に?

 とはいえ、対策アプリを使っている人は少数派かもしれない。「知っている番号からの電話以外出ない」「怪しい番号は無視する」という手法をとる人も増えている。具体的には、こんな対応だ。

 一見、極端なように思えるが、筆者の周囲でも実践している人は多い。もはや「電話には一切出ない」という人までいる。実際には「050」はIP電話の電話番号だし、「0800」はフリーダイヤルなので、すべてが怪しいわけではない。それでも、自衛のためにこうした番号からの電話は受けないという人は珍しくない。

 こうした傾向は、電話という連絡手段の“社会的信頼の低下”を意味している。電話が迷惑や詐欺のツールと見なされ続ければ、いずれ「電話」という手段そのものが成立しなくなる可能性すらある。ロボコールが「電話文化の終焉」の引き金にならないよう、テレコム業界は本気で対策を講じるべき時ではないだろうか。

(大和 哲:ITライター)

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