
“土俵際”で見せたツバメの逆襲。それは帰ってきたキャプテンの言葉と共に始まった──。
ホームグラウンドの神宮球場に戻った東京ヤクルトスワローズは、早くも窮地に立たされていた。巨人の本拠地・東京ドームで行われた開幕戦で終盤に5点差を追いつかれてサヨナラ負けを喫すると、そこから3連敗。あくまでもシーズン143試合のうちの3試合とはいえ、現場もフロントも早くから重要視していた巨人との開幕3連戦で3タテされてしまったのは、あまりにも痛かった。
ヤクルトの開幕3連敗は今年も含めて10回あるが、前回の2021年は6年ぶりのリーグ優勝、そして20年ぶりの日本一に輝いていて、それだけ見れば“吉兆”と捉えることもできる。野村克也監督時代の1993年にはやはりリーグ優勝と日本一、小川淳司監督(現GM)時代の2011年は2位になっており、データを見る限りは決して取り返しがつかないというわけではない。
ただし、開幕4連敗以上となるとヤクルトは過去7回すべてBクラス(4連敗、5連敗、6連敗各2回、8連敗1回)。つまり、これ以上の連敗は“致命傷”になりかねなかった。そんなチームにとっての朗報は、左手指の腱の脱臼により出遅れていたキャプテンの山田哲人が患部のリハビリ、そしてファームでの調整を終え、4月1日に一軍に合流したことだった。
「開幕に間に合わなかったことですごく責任を感じていて、その代わり『神宮からは行きたいです』と。リハビリの期間としては、本人の中で『巻き』で調整してきました。もちろん打ってくれてしっかり守ってくれてっていうところを期待しますけど、テツトなのでそれ以外のところでチームに大きく影響する部分もたくさんあるので。打てなくても、自分が上手くいかなくても、チームにいろんなものを与える存在じゃないかなと思ってます」
1日に予定されていた広島戦が中止になったのを受け、山田に言及したのはチームを率いて今年で6年目の髙津臣吾監督。「もうスタートからです」と予告したとおり、一夜明けて迎えた2日の同カードでは「6番・二塁」でスタメンに起用する。