
AERA DIGITALで音楽や映画、演劇とともに社会を語るコラム「RADIO PAPA」を連載していたTOKYO FMのラジオマン・延江浩さんが6日、致死性不整脈のため東京都の病院で死去した。享年67。
連載を依頼した当時の週刊朝日編集長に、延江さんとの思い出を寄稿してもらった。
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あまりに突然の訃報だった。
作家・村上春樹さん出演のラジオ番組「村上RADIO」などを手がけたラジオプロデューサーでTOKYO FM顧問の延江浩(のぶえ・ひろし)さんが6日未明に死去したと聞き、耳を疑った。
いつもチェックしている延江さんのフェイスブックは数時間前まで更新があり、隔週日曜日の16時にAERA DIGITALで配信されるコラム「RADIO PAPA」は、6日も通常通り配信されていた。
ご自宅で夜中に倒れ、病院に運ばれ、亡くなったという。おそらくご本人も予期せぬ最期だったのだろう。延江さん、早すぎます。まだ67歳じゃないですか。
コラム「RADIO PAPA」は2019年、私が週刊朝日編集長だった時、依頼したものだ。
延江さんはかつてTOKYO FMで桑田佳祐さん、松任谷由実さんら大御所の番組を多く手がけ、ギャラクシー大賞など放送界の各賞を多数受賞した名プロデュ-サー。
ロックからジャズ、ボサノバ、ポップスまであらゆる音楽に精通し、さらには韓流ドラマや映画、舞台にも詳しかった。
アーティストらと組み、東日本大震災、ウクライナ侵攻などでも音楽を通じて被災地にメッセージを送る社会派でもあった。
コラムに書くことは山ほどある人だった。連載タイトルはクイーンのヒット曲「RADIO GAGA」をオマージュし、「ラジオのパパ的な存在なのでRADIO PAPAはどうですか」と提案すると、延江さんは「いいねー」と大笑いし、引き受けてくれた。
コラムでは村上春樹さんの番組の秘話をよく書いてくれた。頼み込んで一度だけ春樹さんご本人にインタビューさせてもらったこともあった。一生の思い出になった。