NISSAN:スカイライン/スカイラインは日産と合併する前のプリンスが1957年に生産を開始した伝統ある車種。高性能モデルのGT-Rは熱狂的なファンが多い。81年に発売されたモデルは「西部警察」のマシン「RS-1」として人気を博した(写真:Michael Steinebach/アフロ)
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 日本車は元気がない、売れていない──。そんな声を聞くことがあるが、実際はどうなのか。日本の自動車はまだまだ負けていない。歴代の名車を振り返りつつ、日本車の未来について考えた。AERA 2025年4月7日号より。

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 ホンダと日産自動車の経営統合の破談、中国の電気自動車の台頭と日本の自動車をめぐる状況はあまりよいとは言えない。日本自動車工業会の統計では1993年の四輪車の生産は約1100万台であったが、2024年は820万台ほどに減少している。

「数字を見ると減っていますが、それは車が壊れにくくなり、買い替えが減っているのが一つの理由とも言えます。日本車が元気がないとはあまり感じません」

 そう話すのは「ベストカー」編集長の飯嶋穣さんである。

 飯嶋さんによると、日本車市場の中で高い人気を続けるのはSUVである。

「SUVには大きな車種から小さなものまで、ユーザーが求めるサイズがあります」と解説した。

「また、ミニバンというジャンルは2000年代初めに大ブームがあり、今でも人気は安定しています。トヨタのアルファードやヴェルファイアはいまだに高い支持を受け、コンパクトなトヨタのシエンタ、ホンダのフリードも売れています。高価なアルファードやヴェルファイアをあわせると月に1万台以上も売れているのです」

 ミニバンもSUV同様でコンパクトカーでは小さいながらも3列シートで7人乗車できる使いやすさが受けている。

人気が続くジムニー

 人気が高いSUVは悪路を行くハードな扱いに耐える車種と、都会を走ることを中心としたスタイリッシュな車種と大きく差別化されていた。それが今や悪路を行くことが可能であるSUVもスタイリッシュになり、人気を博している。

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