3位はセンサー大手のキーエンス。平均年収は2067万円で前年より200万円以上減ったものの、3年連続で2千万円を超えた。

 4位は不動産開発のヒューリックで1907万円だった。富士銀行(現みずほ銀行)の資産管理会社だった同社は都心の一等地に立つ銀行店舗などを数多く保有する。古い施設をオフィスなどに再生する手法で急成長した。

 不動産業は8位に地主(1718万円)、17位に霞ケ関キャピタル(1407万円)、23位に三井不動産(1289万円)、26位に三菱地所(1273万円)などがランクインした。

 国内の不動産は、円安の影響もあり海外の投資家からも人気が高い。地価も上昇傾向で不動産業にとっては追い風だ。

 業種別でみると海運も平均年収が高い。1675万円だった商船三井の9位を筆頭に、18位飯野海運(1406万円)、19位川崎汽船(1394万円)、21位日本郵船(1378万円)が続く。

 コロナ禍で物流が混乱し、国内外で海運需給が逼迫(ひっぱく)。コンテナ船の運賃が高騰したことなどから、利益が大きく伸びた。

 そのほか、金融、IT・通信業界の企業が上位を占める傾向が続いている。

 金融では、投資関連会社のインテグラルが1657万円で10位に入った。今回のランキングでは持ち株会社は対象から外しているが、有価証券報告書をみると、SOMPOホールディングス(1455万円)や東京海上ホールディングス(1390万円)といった保険会社や、野村ホールディングス(1408万円)をはじめとする証券会社の平均年収も高い。

 製造業では、13位のレーザーテック(1581万円)や15位のディスコ(1507万円)、27位の東京エレクトロン(1272万円)など、半導体関連企業が高年収を維持している。12位のサンバイオ(1596万円)、20位のモダリス(1385万円)、22位のシンバイオ製薬(1327万円)といった製薬会社も1千万円超えの企業が多い。

 一方、役員報酬も上昇傾向にある。東京商工リサーチによると、役員報酬1億円以上を開示した上場企業は過去最多の509社で前年より34社増えた。対象人数も1120人と前年比125人増。初めて1千人を超えた。

 役員報酬額のトップはセブン&アイ・ホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント取締役。報酬額は77億3200万円で、開示制度が始まった09年3月期以降で、歴代2位となった。

 役員報酬は業績連動型や株式報酬などが浸透している。ここ数年は業績が好調な上場企業が増えており、これにより役員報酬も高額化に拍車がかかっている。

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