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NISAが改正されて1年。投資信託の買付額ランキングを見ると、S&P500に連動したインデックスファンドや、分散効果の高い全世界型株式インデックスファンドが人気だ。どのインデックスファンドが“良い”といえるのか。

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NISA改正から1年! 「S&P500」と「オルカン」が2強

 2024年にNISAが改正されてから1年が経過した。投資信託はNISA買付額の6割を占めている。さらに投資信託の積立投資をする「つみたて投資枠」の買付額の内訳を見ると、インデックス型が9割に上る。

 なかでも米国の代表的な指数「S&P500」をベンチマークとするインデックスファンドと、「オルカン」と呼ばれる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の人気が高いことは、投資信託の資金流入の多さを見ても明らかだ(図表1)。

 株式会社Money&You代表取締役でマネーコンサルタントの頼藤太希氏によると、「それぞれにメリットがあり、資金流入額から見てもS&P500とオルカンはどちらも人気」だという。

 S&P500は世界経済の中心ともいえる米国の代表的な500社に投資できるため成長の恩恵を受けやすい。一方、全オルカンは分散投資効果が高いというメリットがある。

 では、投資対象として本当に“良い”といえるのはどちらなのか。それぞれの値動きとリスク・リターンから比較してみる。

オルカン(MSCI ACWI)は“負けない投資”に向く

 オルカンがベンチマークとしている指数、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)と、S&P500の過去10年の推移を示したのが表2だ。GAFAMの組入割合が大きいS&P500のほうが、大幅に成長していることがわかる。

 それぞれの特徴とリスク・リターンを整理すると表3のとおり。なお、リスク・リターンはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を採用した。トータルリターンで見ても、リスク効率でみてもS&P500に軍配が上がるが、投資対象の国、銘柄数に違いがある。

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