
大学入学共通テストに「情報」が導入されるなど、入試改革の第2フェーズに入った2025年度大学入試が終息した。東大合格者の出身高校ランキングには、昨年と同数の149人の合格者を出し首位を守った開成(東京)をはじめ、合格者1人まで数えると計405高校が名を連ねた。なかでも2年以上連続で合格者数を伸ばした高校は、全国で20校。その顔ぶれは――。
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大学入試の世界には「隔年現象」という言葉がある。ある年、現役合格者が多数出ると、その翌年は浪人生が減るため合格者数が減少しがちだ。こうした「波」は、人気学部・学科の志願者数などにもみられ、入試関係者の間ではよく知られた現象だ。
にもかかわらず、2年以上連続して東大合格者数を伸ばした高校は何校あるか。AERA、サンデー毎日、大学通信の合同調査(3月19日現在)で1人でも合格者がいた405校から抽出すると、わずか20校が残った。
20校中1位(全体順位2位)は、筑波大附駒場(東京)の117人だ。今年の卒業生数156人の6割弱にあたる92人が現役合格しており、東大への現役進学率は例年、ダントツだ。大学通信情報調査・編集部部長の井沢秀さんが振り返る。「2009~19年の11年間のうち10年(12年を除く)で合格者100人以上を出していたものの、20年代に入って2ケタが続いていました。6年ぶりの100人超えです。今年は理科3類(医学部医学科進学)に15人が合格したのも特筆すべきです」
続く2位(同5位)は、日比谷(東京)の81人。前年比21人増の大躍進だ。都立高の進学指導重点校の筆頭格で、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、東大の学校推薦型選抜でも安定的に合格者を送り込んでいる。「1960年代までは東大合格者が100人を超えトップでしたが、都立高入試の学校群制度導入で沈み、合格者1人まで落ち込んだ年もありました。およそ60年ぶりの復活の兆しといえます」(井沢さん)