国立がんセンター名誉総長が、40年間つれ添った伴侶をなくし、四国八十八カ所の巡礼に出た体験を綴る。 がんを患った妻の死から7年。破滅的な生活を経て喪失感とともに暮らす著者は、わざと酷暑を選んで出発する。9キロもの荷物を背負い、白装束の笈摺の下に登山用パンツ、菅笠に金剛杖、それに履き慣れた登山靴の出で立ちだったが、初日から全身が痛み、凄まじい発汗に汗疹ができて痒さに寝られず。3日目からは足指の…

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