――観る人に響く、そういったストーリーが大事なのですね。
貧しい生い立ちから身を立てた、病気のお母さんのために戦っている、そういったストーリーが大事だし、今回日本が世界ベストの相手と戦って勝ったら、それがまたストーリーになります。
――そしてそうした様々なストーリーがある中でも、日本のファンは日本人選手が世界に打ち勝つストーリーを好むと。
25年前、PRIDEとK-1は世界のベスト・オブ・ベストでした。でも今はそれが小さくなってしまい、日本はキックボクシングとMMAを生んだ国で、長い格闘技の歴史を持つのに残念です。私は半分日本人ですから(※母親が日本人)、日本を再生させたいと思ってます。日本のために新しい未来を作りたいです。
――今回初参戦する吉成名高選手は日本の強さを見せることができる、期待される選手です。
名高は素晴らしい選手ですが、まだ十分に知られているとは言えません。インスタグラムのフォロワーが5万人ですが、ロッタンであれば600万人のSNSフォロワーがいます。でも名高がONEに入って勝ち進み、チャンピオンになれば簡単にSNSのフォロワーも100万人を突破すると思います。だからONEに出るのは名高にとってチャンスです。ファイトマネーだけじゃなくスポンサーや知名度を得られるし、自分のレガシーを築くことができるんです。
――そうしたONE日本大会がいよいよ近づいてきました。ファンの方たちへメッセージをお願いします。
日本の格闘技が好きだったら是非この大会を見てください。“日本vs世界”、日本のヒーローが世界に挑む、日本の格闘技史上最大の大会です。ファンと選手で一緒になって新しい未来を作りましょう。ぜひ応援してください。
(文/長谷川亮)
●プロフィール
長谷川亮/1977年、東京都出身。雑誌編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行う。そのほか各種コラムの執筆、ドキュメンタリー映画『 琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』( 2019)の監督など。

