中居正広氏(撮影・今村拓馬)
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 侍ジャパンの試合の現地レポーターから中居正広の姿が消えた――。3月5、6日に行った強化試合・オランダ戦で、改めてそんな思いを持った人もいたかもしれない。

【写真】代役レポーターながら現場から好評な杉谷拳士

 中居さんは侍ジャパンの「公認サポートキャプテン」を長く務め、侍ジャパンの試合や関連の番組やイベントなどに登場していた。WBCでは2013年の大会以来、ベンチリポートを長く続け、自らが取材して得た情報も交えて試合中継で発信していた。

 だが、舞台裏では他のメディアとトラブルが生じていたという。テレビ関係者が、こんな話をする。

「侍ジャパンのある選手にインタビューをお願いしたいと思い、事前に了承を得ていたのですが、中居さんがその選手の元に行ってずっと立ち話をしていたので、終わるのを待っていたこちらのインタビュー時間がなくなってしまった。中居さんは顔が広いので色々な選手に話を聞けるかもしれないけど、こちらも侍ジャパンの情報を視聴者に伝えなければいけないので、担当者にクレームを入れました。その後、現場で会った時に中居さんに挨拶しても反応がなかったので、気を悪くされたのかなと思いました。でも他のメディアの人が『僕も挨拶していますが、反応がないので気にしなくて大丈夫ですよ』と言ってくれました」

 女性とのトラブルで芸能界を電撃引退しなければ、中居さんが今回の強化試合でも侍ジャパンのベンチレポートを続けていただろう。

自分の役割を意識して好評だった杉谷

 一方、その後任として白羽の矢を立てられたのが、元日本ハム選手で現在はタレント活動をする杉谷拳士だった。急きょ決まったベンチレポーターの代役だったろうが、現場を取材していたスポーツ紙記者の評価は高い。

「緊張していましたが、現場の取材陣に丁寧にあいさつしていたのが印象的でした。今回の侍ジャパンには万波中正、河野竜生など日本ハムの後輩たちがいましたが、自分の役割を意識して、知っている選手に肩入れすることなく、それぞれの選手の特徴を分かりやすく伝えていました。お笑い芸人みたいないじられ方をされていますけど、プロの世界で14年間プレーした選手ですからね。洞察力があるし、野球を詳しく知らないファンにも分かりやすく伝えようとしていた。侍ジャパンのベンチレポーターとして適任じゃないですかね」

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WBC優勝後の会見での失敗とは