「歌会始の儀」に臨む愛子さま=2025年1月22日、皇居
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 公務などに出席した皇族方は、その装いにも注目が集まる。そんな皇族方の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2025年1月26日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【写真】愛子さま「らしさ」あふれる友との絆のペンダント!

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 天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまは、1月22日に皇居・宮殿「松の間」で催された新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」に、初めて出席された。愛子さまの歌からは、友達思いの「愛子さまらしさ」がにじみ出ていたと、皇室番組の放送作家を務めるつげのり子さんは指摘する。
 

 今年の歌会始のお題は「夢」。国内外から寄せられた1万6000首余りから入選した10人の歌に続いて、皇族方の歌が披講された。

 初めて出席した愛子さまは、襟にフリルがあしらわれた、淡いアプリコット色のロングドレス姿に、同じ色の帽子を身につけられ、手には扇子を持たれる正装。そんな愛子さまの歌は、友達への思いを込めたものだった。
 

我が友とふたたび会はむその日まで追ひかけてゆくそれぞれの夢
 

 宮内庁は、愛子さまの歌をこう解説する。

「大学の卒業式の日には、ご一緒に卒業されるご友人たちとの晴れ姿をご覧になって、ご学友もご自身も、これからそれぞれ新たな道を歩んで行かれることをしみじみと感じられ、ご学友とのこれまでの日々と将来に思いを馳せられました」(宮内庁のウェブサイトより)
 

愛子さまの充実した日々

 今年の愛子さまの歌に「友達思いの愛子さまらしさを感じる」と言うのは、愛子さまが生まれた2001年から皇室番組の放送作家を務めるつげのり子さん。つげさんは「社会人になって充実した日々を過ごしている」愛子さまの「いま」の姿を推察する。

「昨年、学習院大学を卒業されて、日本赤十字社にお勤めになられ、お忙しい日々を過ごされていると思います。社会人として充実した日々を過ごしているからこそ、お友達と会う時間はなかなかとれないのではないでしょうか。

 愛子さまは青少年・ボランティア課に所属されていますが、ボランティアに取り組む学生たちとも触れ合うことも多く、その交流の中で愛子さまは、同じ年齢のころのことを思い起こされる機会もあったのではないでしょうか。

 そんなお仕事が多忙な中で、会えないお友達のことが心によぎり、『お友達に会いたいな』と思っても、ゆっくり会ってお話しするという時間は取れない……そんなお友達への思いを込められたのだと拝察しました」

 愛子さまに限らず新社会人は、仕事や新しい環境に慣れるまで、学生時代の友達とはなかなか会えないこともある。「友と再び会えるその日まで」と思いながら、日々仕事にまい進する愛子さまの強い気持ちも感じられる。

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「友」が出てくるのは2度目