
愛子さまのシャツも「アイロンいらず」
「山の日」として初めての祝日となった2016年8月11日、当時の皇太子ご一家は、北アルプスの玄関口として知られる長野県の上高地で開催された「第1回『山の日』記念全国大会」の記念式典に出席。おそろいのチェックシャツ姿が話題になった。
菅野さんによると、ご一家がそれぞれ着用されていたものは、春夏物として9200円(税抜)で販売されていたフォックスファイヤーのシャツだという。
そして、陛下(当時は皇太子さま)が着用していたトレッキングパンツも、同社のものだった。
「山の世界のファッションにも、かつてスカートやフェミニンな装いが流行った『山ガール』のように、流行り廃りがあります。山登りの定番であるチェックシャツにも一定のサイクルはあるものの、うちはコツコツと作り続けているおかげか、チェックの山シャツといえば――と評価してくださる方が多いのは、有難いことです」(菅野さん)
いまは、長袖のカットソーやモノトーン系が流行っているという。では、チェックシャツが登山ウェアの定番となったのはなぜなのか。菅野さんが続ける。
「一説によると、山小屋ではお風呂もありませんし、着替えも多くは持って行けない。何日も同じ服を着る環境では、チャック柄のシャツは汚れが目立ちにくいからとも、チェック柄は遭難したときに目立つため登山者に好まれたとも聞いています」
ご一家がたびたび愛用する春夏物のチェックシャツは、おおよそポリエステル65%、綿35%と化繊の比率が高いため、涼しくて乾きがよい速乾機能つきでアイロン要らずだという。さらに生地には「スコーロン」という虫が嫌がる成分が織り込まれており、服の上にとまった虫は触角や足先の感覚器で成分を感知して逃げていく防虫機能付きだ。